イギリスの歴史学者、アーノルド・トインビーの著書「歴史の研究」は、全世界のあらゆる文明がいかにして生まれ、また衰退していったかを記した大著ですが、経営にも多いに通ずるところがあります。
例えばトインビーは「安逸は文明の敵」だといいます。文明が出現する刺激は、環境の困難の度を増すにつれて比例するというのです。一例として黄河文明が挙げられます。黄河は冬凍結し、春は大洪水を毎年引き起こす非常に治水が難しい河です。それに対して揚子江はいつも流れが穏やかな大河です。ところが揚子江には文明が生まれず、環境が厳しい黄河に大文明が生まれています。
またトインビーは、文明が衰退するのも一つの法則がある、といいます。それは少数支配者が創造的能力を失い(=退化し)、大衆が離反した時だといいます。つまり文明の指導者には常にイノベーション(=創造的能力)が求められる、ということです。
企業経営にも同じことが言えるでしょう。今の時代はマネジメント能力もさることながら、それ以上にイノベーション・新たなアイデアが求められる時代です。実際、今勢いがある企業の共通点は、R&D(研究開発)に力を入れているか、マーケティングに力を入れているか、ということです。大企業から中小・零細企業まで、またあらゆる業種に当てはまるはずです。R&Dもマーケティングもイノベーション・新たなアイデアが無ければ行えません。
新たなアイデアのヒントは外的刺激によってもたらされます。従ってセミナーや視察・異業種交流会等への参加は、新たなアイデアやイノベーションを生み出す大きなきっかけになるはずです。改めて、ぜひ積極的にそうした場に参加されてみてはいかがでしょうか。
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