先週、6月24日から26日までの3日間、東京ビッグサイトで機械要素展が開催されていました。
ファクトリービジネス研究会からも9社の会員企業様が出展されており、私も機械要素展を視察・ご挨拶に回りました。
もともと機械要素展はベアリングやモーターなどのナショナルブランドメーカー向けの展示会でしたが、現在は部品加工業などジョブショップ系企業の展示が中心となっています。
いずれにしても、生産財の展示会の頂点がJIMTOFだとすると、加工部品など中間財の展示会の頂点は、間違いなくこの機械要素展ということになります。自社のブランド力アップおよび営業面での効果も含め、機械要素展への出展はまぎれもなく1つの目標と考えて良いと思います。
ただし展示会の性質は、ここ10年間で大きく様変わりしました。
10年前までは展示会の目的は「新規顧客の獲得」でしたが今は違います。今は「新規顧客の獲得」は、インターネットの方がずっと費用対効果が高いです。
現在の展示会の目的は「既存顧客との営業の場」あるいは「見込み顧客との営業の場」です。
すなわち事前のアクション無しに展示会に出ても大きな効果は見込めません。特に機械要素展やJIMTOFの様な総合的な展示会の場合はそうしたことが言えます。
そもそも展示会は、かなり効率的な営業活動の場でもあります。なぜなら1日に20社でも30社でも既存のお客様と会場でお会いすることができます。しかもトップ自らがお客様にお会いできます。
通常の営業活動では1日に2~3件が限界でしょう。
こうした展示会の意義を100%生かすためには、展示会前のWebマーケティングや直前のDM送付等が必要です。
Webで資料請求されてくる見込み客の大半は、資料請求だけで終わってしまいます。あるいはスポットの見積りだけで終わってしまいます。
「この会社、面白そうだな・・・」「一度つかってみようか・・・」と思っても、うまくタイミングが合わなかったり、人間関係が築けていなかったり、そうした要因で具体的な仕事にならないのです。
ところが機械要素展の様なメジャーな展示会は、多くのバイヤーが視察に訪れます。そしてまた彼らは、必ず展示会の出展企業をくまなく調べ、どこのブースに立ち寄るのか、あらかじめ決めてから訪れます。
その時に、「あっ、あの時に見積り依頼した会社が出てる!訪問してみようか・・・」と、なるわけです。
工作機械や設備の様な生産財にせよ、加工部品や機械要素の様な中間財にせよ、相手から「信用・信頼」が得られないと成約に至ることはありません。
従ってWebマーケティングは取引のきっかけ、とはなりますが、それだけで安定的なリピート取引にはなりません。
その後の営業活動が当然のことながら絶対に欠かせないのです。
そして展示会はこうした営業活動をかなり有効に効果的に行える場です。機械要素展への出展費用は最低のブース費用だけでも60万円かかりますから一見すると高く感じますが、営業社員を1名雇うことを考えたら、2~3ヶ月分の経費で出展することは可能です。
いずれにしても、Webマーケティング+展示会 が生産財ビジネスあるいは中間財ビジネスにおけるセオリーと言えるでしょう。
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