この4月から市況に変化が見られる様です。
エリアにもよりますが、多くの機械工具商社がこの4月・5月と前年対比で業績を落としています。昨年の4月が消費税駆け込み需要の反動で数字が落ちたことを考えると、この4月・5月はかなり低調、と考えるべきでしょう。
こうした動きは機械工具商社だけではありません。
例えば全国区でフォークリフトのレンタル事業を営んでいる某社も、この4月・5月は引合いが極めて低調でした。
また同様に運送会社も、荷動きが悪くなったといいます。
明らかに市況が下降局面に移りつつあると考えられます。
ところが部品加工業においては、この4月・5月も多くの会社において引き続き業績は好調でした。
こうした現場の市況の動きを見ていると、現在のトレンドとして次の3点が考えられます。
(1)円安で輸出は有利であるが、国内市況は悪い
(2)組み込み部品などの必需品は売れているが、現場の工具など不要不急のものは売れない
(3)特に機械工具についてはネット販売等にシェアをとられている
ところが新聞などを見ると2015年は設備投資が10.5%増であるなど、かなり楽観的なニュースしか出ていません。
ただしこうした記事もよく読んでみると、全業種1219社、製造業656社に対する調査です。
日本国内には400万社の企業があり、製造業はうち40万社ですが、いかに少ないサンプル数の中で、楽観的なニュースを語っていることがよくわかります。
景気は良い時もあれば悪いときもあるので、市況の山や谷に一喜一憂していても仕方ありません。しかし経営者として、現在のトレンドをしっかりとつかみ、時流を見越した施策を打っていくことは絶対に必要なことです。
それでは現在のマーケットのニーズとは何でしょうか?
例えば 船井総合研究所 ファクトリービジネスグループでは、今月6月4日に大田区産業プラザPioで、「ものづくりVA・VE技術マッチングフェア」を開催します。
↓↓↓同フェアの詳細
https://funaisoken.ne.jp/factory/515130.html
このマッチングフェアには、ファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会の会員企業である、部品加工業27社が出展します。
単なるマッチングフェアではなく、VA・VE提案が行えるサプライヤーによるマッチングフェアであることが、この企画のポイントです。
また、ファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会 が単なる経営の勉強会だけにとどまるのではなく、意欲的な部品加工業が集まっている利点を生かして「共同受注」という具体的なビジネスに一歩踏み出す、ということが本マッチングフェアの趣旨です。
↓↓↓ファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会 の詳細
http://www.funaisoken.co.jp/site/study/mfts_1313433028_0.html
そして、本マッチングフェアの集客はかなり好調です。
誰もが名前を知っている様な大手優良企業を中心に、当日は120名を超える来場者を予定しています。本フェアのためにわざわざ長野県、山梨県、さらには四国の徳島県から来られる方もおられます。
こうしたVA・VE提案、言い換えれば「開発購買」といった「価値」を売ることが間違いなく市場のニーズです。
また先日、私の関係先の機械工具商社が、取引先の某大手メーカーから優秀サプライヤーとして表彰されました。
その某大手メーカーは、VA・VEを促すため、すなわち開発購買を進めるために、サプライヤーに対する表彰制度を今年から始めたのです。そして取引先120社のうち優良サプライヤー30社を集め、そのうちVA・VE提案が特に効果を挙げた3社の優秀サプライヤーを表彰したのです。
ちなみにこの某大手メーカーでは既存の取引先のうち4社を取引停止として、8社を新たなサプライヤーとして新規取引をスタートさせました。この某大手メーカーは、名前を出すと誰もが知っている様な優良企業です。こうした国際競争力の高い優良企業ほど、VA・VEといった開発購買、すなわち「価値」を追求する姿勢が非常に鮮明です。
この様に、円安で我が国に国際競争力がある今、市場のニーズは「開発購買」であり、いかに「価値」を売るかが現在のビジネスのポイントになります。
さらに現在の景気下降局面が進んでくると、今度は「Reビジネス」のニーズが今以上に出てきます。
この点については、次回のレポートでお伝えしたいと思います。
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