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気になるデータがあります。それは経済産業省が発表している鉱工業出荷額前年対比です。

<鉱工業出荷額前年対比>

2014年 1月 109.4%

2014年 2月 106.4%

2014年 3月 106.5%

2014年 4月 101.9%

2014年 5月  98.9%

2014年 6月 101.9%

2014年 7月  99.5%

2014年 8月  95.9%

2014年 9月 101.7%

2014年10月  99.4%

2014年11月  95.2%

2014年12月  99.9%

 

2015年 1月  97.9%

2015年 2月  97.1%

2014年 3月  98.1%

このデータをみると、昨年の秋くらいまでは工業関係の出荷高は右肩上がりだったことがわかります。ところが昨年の10月くらいから伸び率がマイナスになり、さらに今年に入ってからその傾向が強くなっている、ということです。

前々回のレポートで、私は今の市況は2007年の市況に似ている、というお話をしました。2007年といえば市況は良いはずなのに実際の数字はパッとせず、そして翌年9月にはリーマン・ショックが起こりました。改めて、今の状況は2007年に似ているのではないでしょうか?

ここで我々が知っておくべきことは「景気循環理論」です。

景気循環理論にはいくつかのものがありますが、設備投資に起因する7年~10年サイクルで景気変動を繰り返すとされているのがジュグラーサイクルです。

例えば2008年にリーマンショックがありましたが、その8年前の2000年にはITバブル崩壊がありました。

さらにその8年前の1992年にはバブル崩壊、またその7年前の1985年にはプラザ合意による第2次円高不況がありました。

さらにその7年前の1978年には第二次オイルショックが、そしてその8年前の1970年にはドルショックがありました。

この様に7~8年ごとに大きな景気後退が実際に訪れていることがわかります。

そう考えると次の景気後退は単純計算をすると、2008年の8年後、2016年前後となります。

実際、2017年4月には消費税の10%へのアップが予定され、景気後退が懸念されています。

従って今、経営者が真剣に考えるべき問題は「不況対策」です。そして最大の不況対策とは「特定顧客・特定業界依存」からの脱却であり、あるいは「増客」すなわち「新規開拓」です。

実際、リーマンショックの際、私の関係先の中でも業績が大きく落ちなかった会社の共通点は「新規開拓売上比率」が5%を超えている会社でした。

これは、取引がスタートして1年以内の新規客先の売上を“新規開拓売上”として、全体の売上に占める新規開拓売上の比率を出すものです。BtoBの取引において、新規開拓をしてから本格的に売上が上がってくるのは、取引をスタートしてから1~2年が経過してからです。従って、この新規開拓売上比率5%を毎月維持するのは、結構大変なことです。

また、普段から既存客を主体に営業を行っている会社が、こうした新規開拓を継続的に行える様な仕組みをつくるためには最低でも1年から2年はかかります。

そう考えると、今が「不況対策」を始める最後のチャンスということになるのではないでしょうか。

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