前回のブログでも述べた通り、先進国になると「消費財から生産財へのシフト」が求められます。
これに果敢に取組んだのが、オランダの世界的メーカー、フィリップスです。
かつてのフィリップスは家電メーカーでした。ところが当時の日本など新興国との価格競争に巻き込まれ、経営危機に見舞われました。
そこでフィリップスは大きな決断をします。従来のメイン事業であった家電分野の大半から撤退し、今後成長が見込める医療機器分野や、LEDなど産業用照明分野に経営資源を集中させます。医療機器も産業用照明も、いずれも法人を対象とする生産財です。その結果、現在のフィリップスはアメリカのGE、ドイツのシーメンスと並ぶ「医療機器御三家」の1社となり、再び世界的な優良企業の座にカムバックすることができました。
またアメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック)も、かつては大手家電メーカーでした。しかしフィリップスと同様、80年代に日本の家電メーカーとの競争にさらされ、家電分野の大半から撤退することを決断します。
その後のGEは「自社がNo1かNo2になれる業界」に事業分野を絞り、その結果“医療機器”“航空機エンジン”“エネルギー分野”“社会インフラ”を主要事業としています。これらは全て「生産財」の分野です。
そして、かつてのフィリップスやGEと同様に、今は日本の家電メーカーが同じ試練に直面していると言えるでしょう。
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