新年明けましておめでとうございます。
中国の算命学によれば、歴史は「動乱の時代」「教育の時代」「経済の時代」「大衆の時代」「権力の時代」と10数年周期で生成発展を遂げていくといわれています。
これを戦前の日本に当てはめると、次の様になります。
・動乱の時代・・・幕末から明治維新
・教育の時代・・・帝国大学の設置、福沢諭吉“学問のススメ”
・経済の時代・・・戦争景気による成金の出現
・大衆の時代・・・大正デモクラシー
・権力の時代・・・治安維持法、国家総動員法
余談ですが、谷崎潤一郎の小説で「細雪」という作品があります。その舞台は昭和初期の関西であり、この小説を読むと昭和初期には大衆文化が頂点に達していたことが、よくわかります。
そして戦後の日本も同じ様な変化を辿っていることがわかります。
・動乱の時代・・・終戦
・教育の時代・・・6・3・3の教育制度、国立大学の設置
・経済の時代・・・高度経済成長
・大衆の時代・・・バブル経済
・権力の時代・・・総量規制、消費税導入
様々な取り方があるので何とも言えませんが、戦後2回目の「動乱の時代」は2000年から2012年までの様です。
実際、2001年9月に世界同時多発テロがあり、2008年9月にはリーマンショック、2011年3月には東日本大震災がありました。また、この期間に超円安・エネルギー高が重なり、多くの製造業が国外に移転しました。
そして暦の上でいくと、2012年から2024年までは「教育の時代」となり、その後は「経済の時代」に入っていきます。
また60年周期説では30年ごとに“気運の下降期”“気運の上昇期”を繰り返す、といいますが、上記の計算でいくと2018年からは気運の上昇期になることがわかります。
迷信じみた話で恐縮ですが、しかし「歴史は繰り返す」ともいいます。何らかの規則性・法則を歴史に見出すことは有用だと私は思います。
そう考えると2015年は「教育の時代」ということになりますが、教育というのは次の3つの教育を挙げることができると思います。
1)社内の教育
2)お客様への教育
3)家庭内での教育
まず、社内の教育とは、理念に基づいた経営の実践、ミッション経営を実践することによる、グレートカンパニーづくりだと思います。
また自社の「研究開発」や「提案力の強化」に取り組むことも、社内の教育ということになります。
さらに来るべき「気運の上昇期」また「経済の時代」に備えて、若い新卒社員を積極的に採用することも、社内の教育だと私は思います。
またお客様への教育とは、技術セミナーの実施や提案営業の実践ということになります。つまりお客様から共感を呼ぶための取り組み、同じ価値観のお客を探す取り組み、といえるでしょう。
前回と今回の「教育の時代」の違いは、前回は“モノ不足”の中でのインフレ経済でした。
ところが今回は“生産過剰”“設備過剰”による“モノ余り”の中でのデフレ経済です。
1989年にベルリンの壁が崩壊し、旧来は東側と呼ばれていた共産圏の国々が、安い労働力を武器にグローバル経済の中に押し寄せてきたこともデフレの大きな要因です。
またエネルギーコストも原油安に見る通り日に日に下がっています。
今後もこのデフレ経済は変わらないでしょう。デフレ経済の下では、何もしないでいると価格競争に巻き込まれてしまいます。
前述の「社内の教育」「お客様の教育」というのは、言い換えれば「デフレ対策」でもあります。
デフレ時代の価格競争回避の為には、
・モノを売るよりもコトを売る
・コトを売るよりもヒトを売る
という観点でも、繰り返しになりますが「教育」が大切な時代です。
また 3)家庭内の教育 についていえば、改めてお伝えしたいのが、教育学者の森信三先生が言われる「家庭教育3か条」です。
これは、
(1)親が読んだら、ハイ!と大きな声で返事をする
(2)朝起きたら親に、おはようございます!と大きな声であいさつをする
(3)靴を揃える、さげたイスをきちんと元に戻す
というものです。この3つさえできていれば、子供の教育は100%大丈夫だと森先生はいわれています。
これは子供の教育だけでなく、社員の教育においても同じだと私は思います。よく「最近の若い人はあいさつもロクにできない」という話を聞きます。
今年は改めて、この「家庭教育3か条」を社内でも実践されてみてはいかがでしょうか。
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