今、注目を集める「オランダモデル」
半導体製造に不可欠な半導体露光装置(ステッパー)は、その複雑さと精度の必要性から、人類が生み出した最も緻密な機械と言われています。ほんの10年前までは日本のメーカー(キャノン・ニコン)が世界シェアの8割近くをとっていましたが、現在はオランダのASML社が世界シェアの8割近くをとっています。半導体製造の基幹設備を、オランダの無名の会社がいつの間にかシェアを奪い取っていったのです。
また今年の6月には、東京エレクトロンがアメリカのアライドマテルアルとの合併を発表し、その新本社をオランダに置くことになりました。生産財業界では今、オランダに注目が集まっています。
実際、オランダはEU内でもドイツと並ぶ高い競争力を持ちます。
しかしかつて(20年前)のオランダは、「オランダ病」という言葉で揶揄されるほどの不況と財政悪化のダブルパンチに直面し、当時は「回復不可能」とまで言われた経済不況に陥りました。その後、15年間に及ぶ大改革の結果、オランダは現在の競争力を取り戻すに至ったわけですが、オランダが生まれ変わる為に行ったことは次の4つです。
(1)労使が協調して、企業は給料を下げた
(2)国も税金を下げた
(3)パート雇用を推進し共働き世帯を増やして世帯所得を上げた
(4)国内製造業を消費財から生産財にシフトさせた
上記(1)(2)の施策を打つことで企業を活性化することを目的と
して、そして賃下げで発生するダメージを補うために(3)の施策をうったのです。そして上記(4)については大手電機メーカーのフィリップスの例が顕著です。フィリップスは15年前までは家電と半導体主体のメーカーでしたが、現在では医療機器と社会インフラ主体のメーカーです。
今、日本が直面している課題は20年前のオランダの姿に似ています。日本は今まで「アメリカモデル」を追いかけてきましたが、これからは「オランダモデル」も検討の余地があるのではないでしょうか。
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