私、片山は10月5日から1週間、アメリカグレートカンパニー視察セミナーに講師として参加していました。その際に「景気はどうですか?」と現地の人に聞くと「すごく良い」との答えが返ってきました。
実は昨年4月にも、アメリカ医療機器・航空機産業視察セミナーでアメリカに訪れていたのですが、その時には現地の方は「新聞には景気が良くなった、と書いてあるが我々には全く実感が無い」と言っていましたから、あれから1年数ヶ月が経過し、アメリカの景気は実際に回復したと言えます。事実、昨年はガラガラだったショッピングモールが平日の昼間から混んでいること、現地ホテルの稼働率が上がり中々ホテルの確保ができなかったことも合わせて、新聞での報道通りアメリカは好況だと言えるでしょう。
また、この9月にシカゴで開催された工作機械見本市、IMTS2014(シカゴショー)は大盛況のうちに終わり、オークマの同見本市での受注は前回シカゴショーの2倍以上であったといいます。
アメリカの現地工作機械関係者によれば、「エネルギー産業・航空機・自動車が伸び盛りで、今の好況は2年は続く!」と非常に強気な見解を示しています。
そしてアメリカの景気がよくなると、日本の景気は良くなります。特に輸出産業の景気が良くなります。事実、今、多くの部品加工業が多忙です。最近では、「利益率の低いお客様には値上げをお願いしている」との声も多く聞かれる様になりました。非常に良いことだと思います。
しかし同時に私は「これはバブルではないのか?」という懸念を強く持っています。
実際、アメリカが好況な要因は、1)シェール革命でガソリン代が下がった 2)金融緩和でドルの流通量が劇的に増えた(この10年で約8倍) 3)自動車向けサブプライムローン の3つだと私は考えています。
アメリカではガソリン代が上がると不況になると言われています。それだけ車社会だということです。従ってガソリン代が下がるとそれ以外の可処分所得が増え、消費の押し上げ効果になります。
また株高の原因は、金融緩和によって余ったマネーが株式市場に流れ込んでいるに過ぎません。
さらには、あれだけ住宅向けサブプライムローンで痛い目にあったにも関わらず、今度は自動車向けのサブプライムローンを生み出すあたりが全く懲りていないというか、それだけ投資先をつくる余地が無いのだろうな、と考えさせられるところです。
バブルの中にいる人は、そのバブルに絶対気がつかない、と言います。
実際2007年の話ですが、ある製缶板金加工業の社長が「忙しくてドンドン製品は出て行くんだけど、本当にそれだけ売れているのかなあ?」と言われていましたが、確かに2008年に入ると少し失速傾向が出てきて、そして2009年にはリーマン・ショックというバブル崩壊の波がきました。
この時の経験からも、不況対策は1つしかありません。それは新規優良顧客を開拓できる「新規開拓ツール(=武器)」を常に磨いておくことです。また普段から特定顧客・業界への依存度を下げておくことです。つまり取引先を分散させるということです。
特に部品加工業が押さえておくべきなのは「医療機器業界」です。リーマン・ショックの際に唯一出荷高が下がらなかった業界が医療機器業界です。医療機器業界はIT産業や自動車産業の様な大きな伸びはありませんが、逆に下がることはありません。そして年率5%という確実な成長を続けている業界です。
何より、医療機器業界への参入を目指すことで自社のレベルも上がり、結果的に質の高いお客様が集まってくることになります。さらには医療の進歩に貢献できることでの社会貢献、貿易赤字を解消することでのわが国への貢献も図れます。
その点、来る11月10日(月)大阪で開催する「機械加工業 医療機器業界「参入」ビジネスモデルセミナー」は、OA業界に依存していた奈良精工様がいかに医療機器分野の仕事を増やし、いかに売上の25%まで医療機器分野の仕事を増やしたかというプロセスを学ぶことができます。本セミナーには奈良精工の代表取締役、中川 博央氏を特別ゲスト講師としてお招きしています。ご関心のある方は、ぜひ下記URLより資料請求・セミナーご参加へのご検討をしていただければと思います。
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