船井総研では「グレートカンパニーアワード」という表彰式を、毎年8月の経営戦略セミナーの場で行っています。
船井総研の定義するグレートカンパニーの要件とは、
1)持続的成長企業であること
2)熱狂的ファンを持つ、ロイヤリティーの高い企業であること
3)社員と、その家族が誇れる、社員満足の高い会社であること
4)自社らしさを大切にしたいと思われる、個性的な企業であること
5)世の中に広く大切にしたいと思われる、社会に貢献している企業
であることが挙げられます。
本アワードは今年で5回目となるのですが、もともと船井総研は小売業・サービス業主体のコンサルティングを中心としてきたこともあって、受賞企業も小売業・サービス業が中心でした。
しかし、今年の経営戦略セミナーにご参加いただいた機械工具商社経営研究会・部品加工業経営研究会の多数の会員の皆様から、「ぜひ来年はうちの研究会から受賞企業を出したい!」と多くの声をいただきました。
私も生産財分野からアワード受賞企業が出せる様、来年に向けて取り組んでいこうと改めて思っています。
部品加工業の場合、アワードを狙うのは比較的容易だと思います。例えば会議無し・先着順採用で有名な、米粒よりも小さな歯車をつくる樹研工業など、立派なグレートカンパニーです。
またユニークな経営で知られる未来工業や、日本一の町工場として知られるエーワン精密などもグレートカンパニーでしょう。
機械工具商社の場合、業界外の人にはわかりにくい業態かもしれません。しかし、実は機械工具商社は世の中にとって必需品ともいえる重要な存在です。
例えばフランスにエノキアン協会という企業の団体があります。このエノキアン協会に加入するためには、次の3つの要件を満たさないといけません。それは、
①社歴200年以上であること
②オーナーが経営に携わる、ファミリー(同族)企業であること
③経営状態が良好であること
という要件であり、日本からは次の5社が加入しています。
1)赤福
2)虎屋
3)月桂冠
4)法師(旅館)
5)岡谷鋼機
上記1)2)は有名な和菓子メーカーです。3)は酒造メーカー、4)は旅館と、つまり必需品を扱っている会社であることがわかります。ところが5)の岡谷鋼機は機械工具商社であり、創業時は農具や工具、刀剣を扱っていたといいます。
つまり日本で5社しか加入できていないエノキアン協会の1社が、機械工具商社なのです。
さらに岡谷鋼機よりも3年歴史が古く、創業1666年のユアサ商事も機械工具商社です。ユアサ商事は東証1部企業の中では、2番目に歴史の古い会社です。
生活必需品を扱う企業が長寿であることは理解できますが、常に「商社不要論」が取りざたされる機械工具商社が、実は世の中の必需品であることがわかる事例ではないでしょうか。
ぜひ来年は、機械工具商社もグレートカンパニーアワードを狙っていきたいと思います。
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