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不況期に伸びる「Re」ビジネス

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あまり新聞では報道されませんが4月の消費税増税以降、明らかに一般市況は悪化しています。自動車ディーラーでも悪いところでは昨年対比5割ダウンという声も聞かれますし、住宅展示場なども集客は昨年対比で2~3割ダウンだといいます。

あのディズニーランドですら、この4-6月は売上を落としていますから、やはり予想通り消費税の増税は市場マインドに悪影響を及ぼしています。

その点、生産財業界は円安の影響もあって全般的に忙しいですが、特に好調なのが「自動車」と「スマートフォン」の2分野でしょう。

「自動車」に関して言えば、設備投資は大半が海外向けです。

国内の設備投資についてはEV(電気自動車)やハイブリッドがらみであり、モーターやバッテリーを生産する電機メーカーに設備投資が見られます。

「スマートフォン」はアップル社が9月に“アイフォン6”を発売する関係もあり、ロボットやロボドリルや射出成型機など加工機が大量に動いています。

とはいえ、例えば自動車関係が良いといって中部エリアが全般的に良いかというと、必ずしもそうではありません。トヨタのティア1など限られたユーザーは確かに忙しいですが、かつての様に中部エリア全体が良いかというと、そうではありません。

さらに気になる現象として、機械工具商社について言えば工作機械の受注は積み上がってきて受注残は増えているのですが、切削工具などのベース商品の売上は減少傾向にあることが挙げられます。従来であれば工作機械が売れれば、切削工具などのベース商品の売上も上がったのですが、今回はそうした関連性があまり見られないのです。

その要因は、大手企業が国内の設備投資に対して非常に慎重だからです。

現在、生産財業界で起きている現象はいびつです。本来は企業体力の乏しい零細・中小企業が設備投資に積極的で、有り余るキャッシュを持っている大手企業が設備投資に非常に慎重なのです。

これはいわゆる“ものづくり補助金”による現象なのですが、来年は基本的に“ものづくり補助金”はありません。

現在の工作機械受注はミニバブルであり、来年以降は相当大きな反動が来ると考えるべきです。

現在の不安定な国際情勢に加え、来年10月のさらなる消費税の増税など明らかな不安定要因を見越して、大手企業はいずれも国内設備投資については慎重になっているのです。

従って我々も、仮に足元の数字が好調であったとしても、来年に向けた不況対策を今から行っておく必要があります。

そのキーワードが「Re」ビジネスです。

現在の様にあらゆる業界が成熟期・衰退期になると伸びるのが、Reビジネスです。

Reビジネスでよく知られているものとして、Recycle(=リサイクル:再利用)・Reuse(=リユース:中古)・Reduce(=リデュース:削減)があり、これらは3Rと呼ばれ注目を集めています。

また現在、成長ビジネスの1つとされるRental(=レンタル)も代表的なReビジネスです。

さらに今、ニーズが高いのがReverse Engineering(=リバース・エンジニアリング:部品(製品)再生)です。このリバース・エンジニアリングとは部品や製品の形状や寸法を測定し、図面を起こす技術のことを言います。

普通は図面から部品・製品がつくられます。ところがこの場合、逆に部品・製品から図面を起こすことになるのでリバース(=逆流する)エンジニアリング(=技術)と言うのです。

例えば工場では大小様々な膨大な数・種類の設備が稼動しています。こうした設備の多くは頑丈につくられていますが、それでも何年も使用されていくうちに故障します。

この時、その設備を生産したメーカーが倒産して世の中から無くなっている、といったことは決して珍しいことではありません。

あるいは倒産していなかったとしても、大半のメーカーは製造中止となった設備の部品は、よくもって10年ぐらいしかサポートしていません。こうしたケースで、リバース・エンジニアリングが活躍するのです。

特にリーマン・ショック以降においては、新たな設備投資を抑制して既存設備を活用する動きが一般的になっていますから、こうしたリバース・エンジニアリングはさらにニーズが増しています。

例えば私の顧問先の愛知県S社は、このリバース・エンジニアリングを事業化した結果、その相乗効果も含めてスタート半年で毎月1000万円を超えるビジネスとなっています。

繰り返しになりますが、こうした「Re」ビジネスは典型的な不況対応ビジネスです。

ぜひ自社に取り入れていくことができないか、考えてみていただきたいと思います。

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