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産学連携は最高の口コミ営業

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前回のレポートでもお伝えしましたが、「簡単には売れない商品」を売るための最も効果的な方法は“口コミ”営業です。

そして製造業の世界において、この“口コミ”営業を進める最も効果的な方法が「産学連携」でしょう。

「産学連携」とは文字通り製造業が大学と組み、何らかのテーマを持って共同研究を行うことです。

こうした「産学連携」というと余力のある大手企業しかできない、というイメージがありますが、近年では意識の高い中小企業が積極的にこの「産学連携」に乗り出しています。

例えば京都府長岡京市にある部品加工業の木村製作所(従業員35名)では、複数の大学の研究室と連携し、難削材への鏡面加工をテーマに産学連携の研究に取り組んでいます。

従来は手作業でないと鏡面加工ができなかった材料を、機械加工により鏡面加工を行うというテーマです。

現在は京都大学内のインキュベーションセンターに研究所を設立し、本テーマによる事業化を目指しています。

こう書くと、同社がもともと凄い技術を持っていた様に見えますが、2008年のリーマン・ショックまでは同社はこうした産学連携とは全く無縁でした。

しかしリーマン・ショックで売上が半減するという経験を通し、差別化できる独自技術の必要性に目覚めた同社の木村社長は手探りで産学連携を進めました。

まずは自社が関連していそうな学会に入り、学会誌の中で少しでも自社が関与できそうなテーマを見つけたら、その先生に連絡を取って会いに行く、ということを繰り返したのです。

こうした体当たりの取り組みの結果、前述の難削材の鏡面加工というテーマに行き当たり、それを究めるための研究所を設立するに至ったのです。

こうした取り組みを行った結果、最近では大学の先生から「木村製作所なら解決できるのではないか?」と、大企業のエンジニアを紹介される機会が非常に増えたそうです。

大企業のエンジニアは、技術的に困ったことがあると大学の先生に相談することが多々あります。そうした先生から紹介される訳ですから、非常に手堅い紹介案件であり、口コミ営業であると言えます。

実際、同社の新規事業はスタートから1年半で月次付加価値が数百万円を超えるレベルになってきています。

ちなみに、こうした学会には年会費数万円出せば、ほぼ誰でも入れます。まずは小さな一歩を踏み出せるかどうかで全てが決まるのです。

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