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「忙しいけど儲からない」を解消するポイント(2)

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以前のレポートでも述べましたが、多くの部品加工業において「忙しいけど儲からない」という状況に陥っています。

以前のレポートではその対策として、1)「勝ち組」のお客様と付き合う 2)設備稼働時間を伸ばす(できるだけ夜回す)カイゼン活動をする という2つについて述べました。

↓↓↓以前のレポートはこちらから

https://factory-business.com/blog/799/

これ以外にもさらに重要なポイントがあります。

それは自社が受けている仕事の中で、どんな仕事が実際に儲かっているのかをきちんと押さえることです。多くの部品加工業において見られることとして、全体の加工件数のうち、

・3割が赤字

・4割がトントン

・3割が黒字

という傾向があります。もちろん、赤字の仕事も受けているから黒字の仕事も回ってくる、という見方もできます。しかし自社においてどんな仕事が儲かっているのか、儲かっていないのか、が把握できていない様では「忙しいけど儲からない」から脱却することはできません。

まずは自社において、どの様な仕事が儲かっているのかを把握し、それを営業活動に反映することが求められます。

例えば機械加工業A社(従業員40名)のケースで言えば、6工程未満の比較的簡単な加工のワークほど赤字でした。逆に8工程を超える様な複雑なワーク、特に焼き入れ・研磨まで入る様なワークの場合は大きく黒字になっていることがわかりました。

また別の機械加工業B社(従業員80名)の場合も、型彫り放電加工やジグ研削あるいはプロファイル研削が入る様な、高付加価値ワークの場合は利益率が高いことがわかりました。

さらに製缶板金加工業C社(従業員30名)の場合は、ステンレスの加工において特に収益性が高いことがわかりました。

また収益性を見るのは仕事の中身だけではありません。客先ごとの収益性を押さえることも大事です。

私の顧問先の機械加工業D社の場合、客先を4つのマトリックスに分類することにより、営業管理を行っています。この4つのマトリックスとは、

・市場の成長性が高いか低いか

・自社の収益性が高いか低いか

という2つの軸によりつくられるマトリックスです。こうした管理手法は、元々はPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)と言われる、商品群のライフサイクルを管理するための手法です。

D社はこれを客先管理に適用しているのです。

自社にとって最もありがたい客先は「市場の成長性が高く・自社の収益性の高い」顧客です。

さらに営業的に見極めるべき客先は「市場の成長性が高く・自社の収益性の低い」顧客であると言えます。

当然のことながら「市場の成長性が低く・自社の収益性も低い」客先については、売上ボリュームが大きかったとしても“入れ替え”を図っていかなければならない客先だと言えます。

この様に、商品(=加工内容)にせよ客先にせよ、今伸びているものをさらに伸ばす「長所進展」こそが、業績アップのセオリーです。

どんな商品(あるいは加工)を伸ばすのか、どの客先に注力していくのか、「忙しいけど儲からない」からの脱却の為には見極め・戦略的な動きが必要なのです。

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