この6月25~27日の3日間、機械要素展が東京ビッグサイトで開催され、私の関係先の部品加工業も数社出展しているので、足を運んできました。
展示会で最も大事なことは 1)立地(=良い場所)であり 2)小間面積 です。当然のことながら人の流れの良いところは集客に効果的ですし、また集客人数は小間面積の二乗に比例します。つまり1小間で出展していた会社が小間数を2小間に増やすと、2倍ですから2の二乗、つまり4倍近く集客が増える計算になります。
しかしナショナルブランドメーカーと違い、部品加工業の場合は零細・中小規模の会社が大多数ですから、1社で多くの小間を取っての出展はかなりの負担となり、リスクとなります。
そこで、中小規模の部品加工業同士が自らアライアンスを取り、共同で出展するという手法が有効になります。
例えば下記のケースは京都エリアの部品加工業2社が共同で、6m×6mの大きなブースを確保し、出展している事例です。
https://factory-business.com/blog/814/
こうした共同出展は、地域の中小企業支援センターなどが音頭を取って行うケースが増えています。しかしこうした行政機関が全面に出ているブースに出展しても、ほとんど成果は上がりません。
なぜならブース全体のコンセプトはあくまでも、その地域、あるいはその行政機関であり、来場する顧客の側からすると何ら利益につながらないからです。
なにより、こうした行政機関が提供するサービスというのは大半が無料です。「タダより高いものは無い」という言葉がありますが、どんなサービスであったとしても、無料のサービスで効果が出るということは有り得ません。
その点、前述の京都エリアの部品加工業2社の場合、ブース全体のコンセプトを明確に「VA・VEによるコストダウン」としています。
遠めからも一目でわかるブースデザインとなっており、立地が良い上に目立ち、コンセプトも明確ですから集客面で非常に効果があります。
さらに、展示会出展で最も大切なことは、展示会を「商談のスタートの場」としてではなく、「商談のゴールの場」として捉えることです。
例えば世界で最も展示会ビジネスが進んでいる国、ドイツにおいてはこの考え方が今や主流です。
ドイツには東京ビッグサイトと同じ規模の展示会場が何と25ヶ所もあり、中でも最大の面積を誇るハノーバー国際見本市会場は、東京ビッグサイトの4倍以上の総面積を誇ります。
日本の場合は卸・商社の流通網が全国津々浦々までありますが、ドイツの場合は展示会そのものが主要な流通チャネルとなっており、日本以上に展示会が重視されているのです。
そうしたドイツの展示会の中でも代表格が、毎年ハノーバーで開催されるハノーバーメッセです。ハノーバーメッセは開会式にドイツ首相も訪れるほど世界的に注目を集める展示会ですが、同展示会の事務局が出展者にしきりに促すのが、前述の“展示会は「商談のスタートの場」ではなく、「商談のゴールの場」である”ということです。
すなわち展示会当日までにいかにPR活動・営業活動をし、展示会当日に自社ブースに来てもらうか、ということが重要なポイントだということなのです。
実際、前述の京都2社の場合、1000社を超えるメルマガを毎月発信して見込み客をキープしており、機械要素展への出展を十分にアナウンスした上での出展です。もちろん、日々の営業活動の中でのPR、営業に行ききれない先に対してはTELフォローを行っています。
その結果、展示会当日にはあらかじめ図面を手に訪れるお客様も散見され、かなり高い確度の商談を獲得することができました。
こうした展示会出展の技術もさることながら、ポイントは部品加工業同士が手を組み、お互いの強みを打ち出す様な出展を効果的に行っている点であると言えます。完全に成熟期を迎えているあらゆる業界において、こうしたアライアンスはますます大切な戦略となるでしょう。
また、船井総合研究所が主催している部品加工業経営研究会では、こうした会員企業間でのアライアンスを積極的に行っています。
↓↓↓部品加工業経営研究会の詳細・動画をご覧ください
http://www.funaisoken.co.jp/site/study/mfts_1313433028_0.html
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