前回のレポートでも述べましたが、今、部品加工業の多くが非常に忙しい状態にあります。
その理由は円安です。アメリカが金融緩和縮小でドルの流通量を落としているのに対し、日本は異次元の金融緩和を続行していますから、この1年くらいで円のマネタリーベース(通貨流通量)は2倍以上になっています。
ドルの流通量に対して円の流通量が相対的に大幅増加しているわけですから、当然のことながら円安になっているわけです。
政府がこうしたいびつな通貨政策を行う理由は、意地でも短期的に景気を良くしなければならない、という強い理由があるからです。
それは、来年10月の消費税増税です。
周知の通り、消費税増税法案には「景気弾力条項」があり、消費税の税率を上げるためには、景気が回復することが条件です。
従って政府としては、この6-9月が勝負どころであり、意地でも景気が良くなった(=GDP成長率が上がった)ことを数字で示す必要があります。
ですからアメリカが金融緩和を縮小するなかで、日本の日銀は金融緩和を続行しているのです。
また「ものづくり補助金」にしても、市場規模1兆円たらずの工作機械マーケットに対して、4000億円もの補助金を投入するという施策です。当然のことながら、工作機械業界はバブルになります。
これも設備投資を促すための政府の施策です。繰り返しになりますが、今年は意地でも景気を良くしなければならないのです。
今、私が申し上げたことは、大企業の経営者は皆知っていることです。ですから大企業は設備投資をしようとしません。
いかに円安で生産がフル稼働であったとしても、極めて設備投資には慎重です。また外注業者に対してのコストダウンも、以前強く意識しています。
彼らはいつまでも今の景気が続くとは考えていません。よくもって1年くらいであるだろうと。
ですから国内の設備投資や、コストアップになることについては極めて慎重なのです。
こうした事情が背景にあり、部品加工業においては「忙しいけど儲からない」という状況に陥っています。
仕事量はリーマンショックの前と変わらないけども、売上は1~2割マイナス、といった状況の会社が多い様です。
つまり「単価が下がり」「ロットが減り」「短納期を要求される」という、いわば三重苦ともいえる状態が多くの会社で見られます。
では、いかにして、この「忙しいけど儲からない」という状態を解消していくべきなのでしょうか。
まず最も大事なことは「勝ち組」のお客様と付き合う、ということです。
中小企業の業績というのは、どんなお客様と付き合うか、で決まります。特に部品加工業の場合、取引先の業績が振るわないのに、自社が儲かるということは、まずありえません。
親亀こけたら皆こけた、という言葉がありますが、競争力があり市場シェアを伸ばしている優良顧客と付き合う、というのが部品加工業の業績を伸ばす上で最も大事なことです。
昨今でいうと、医療機器業界などはその代表例でしょう。例えば関西の医療業界製造業のZ社は、この3年間で売上が120億円から200億円以上に倍増のペースで伸びています。
当然のことながら、このZ社と取引をしている部品加工業の皆さんは、リーマンショック前よりも仕事量を確保され、売上・利益もそれに伴っています。
また従業員10人という小所帯ながら、社長の営業努力で航空機業界に食い込むことができた部品加工業S社の場合、利益率はむしろリーマンショックの前よりも上がっている、といいます。
さらに営業努力に加えて、「安くつくる」という社内での取り組みも必須です。具体的には社内の設備稼働時間をきちんと取り、いかに設備稼働時間を伸ばしていくか、という社内カイゼン活動を現場で行うことが重要です。
例えば安田工業や三井精機など、熱影響を受けにくく24時間回せる設備の場合は月300時間、普通の立型マシニングセンタだと月100時間、その中間の設備なら月150時間、といった月ごとの設備稼働時間目標を設定するべきです。
そして目標に対して実績がどうであったのか、またどうすれば目標に近づけることができるのか、現場も営業も含めて議論し、カイゼン活動につなげるのです。
究極的には、「夜いかに設備を稼動させるか」ということが大切なポイントになります。
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第二講座:現場を含む従業員全員で実現する圧倒的な集客営業法
【講 師】チームリーダー 藤原 聖悟
【内 容】
・大手住設T社、大手電機P社から相次いで新規口座開設、2ヶ月で300万/月の実績を上げる部品加工業F社の現場巻き込み型Webマーケティングの事例
・Web開設1ヶ月で、大手産機S社から3000万円の案件を発生させた部品加工業N鉄工所が取り組んだ現場巻き込み型Webマーケティングの事例
・質疑応答
昼食:こちらでご準備させていただきます。
第三講座:特別ゲスト講座① 医療機器分野参入への、わが社の取り組み
【講 師】株式会社オーミック 取締役社長 佐藤 徹 様
【内 容】
・普通の金属加工業(1950年 三光製作所として設立)が医療機器分野に参入するまでの経緯
・人口関節・医療用治具・インプラントなど医療機器分野に業容を広げる同社の取り組みと今後
・賃加工から主導権を取るサプライヤーに脱却するために必要なこと
・質疑応答
第四講座 : 特別ゲスト講座②中小部品加工業の為の100年企業をつくる財務・会計戦略
【講 師】SMC税理士法人 曽根 康正 様(公認会計士・税理士・CFP)
【内 容】
・自社を100年続く企業に変える経営者の条件
・100年企業への第一歩!円滑な事業承継を実現する、部品加工業の財務・会計戦略
・社員を社長にしても大丈夫?中小企業が資本と経営を分離するための考え方
・質疑応答
第五講座:機械要素展「成功事例」レポートと、部品加工業における展示会出展“成功”のポイント
【講 師】㈱船井総合研究所 山崎 悠・山添 俊介
【内 容】
・実際に機械要素展に参加・集客活動を行ったコンサルタントの「超」現場視点での展示会成功事例の解説
・効果的な集客を行い、引合い・成果に結びつける展示会「事前」「当日」「事後」実施事項の内容とポイント
・質疑応答
第六講座:会員企業様 相互の情報交換
【コーディネーター】㈱船井総合研究所 グループマネージャー 片山 和也・チームリーダー 藤原 聖悟
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今回のポイントは、賃加工から医療機器分野に参入して成功された㈱オーミック 佐藤社長の特別講座(第二講座)と、”自社を100年続く企業に変える法”の著者 曽根会計士の特別講座(第三講座)です。
時流に合わせて新たな分野に事業を拡大・参入することの必要性、その上で自社を100年続く企業とするための仕組みづくりについて、考えていただくのが今回の趣旨です。
そして新たな分野に事業を拡大・参入するための具体的な手法論として、船井総研 藤原・山崎・山添が、現場での最新成功事例(Webと展示会)についてお伝えする、見逃せない定例会です。
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