今の時代、業種・業界に限らず業績の良い会社の共通点は、新卒採用に積極的な会社です。あらゆる業界において既存の概念にとらわれない事業展開が求められている以上、これは当然の流れだと思います。
要は従来(リーマン・ショック前)とは全く異なる厳しい市場環境の中で、経営者の方針を理解・共感したモチベーションの高い組織でなければ、国内では勝ち残れない、ということなのです。
そうした中、私の顧問先を見ていて中小企業でも新卒採用を成功させ、若手を戦力化している会社には次の5つの共通点がある様です。
まず1つ目に、零細・中小企業だからといって採用で大手企業にかなわない、という既存概念を持たないことです。はじめから大手企業に入りたくない学生はたくさんいますし、自分が生まれ育った地域から離れたくない学生もたくさんいます。
2番目に、採用担当者には自社のエース級を充てる、ということです。例えば企業合同説明会などを見ていると、明らかにヤル気の無い“おじさん社員”を自社の説明要員として出して、それが原因で学生が集まらないケースも多々あります。ひどい会社だと、マスクをしてコートを着たまま、ポケットに手を突っ込んだ採用担当者がいるブースもありました。就職する学生が「こういう社会人になりたい」と思える様な、採用担当者が必要です。
3番目に「育ち」をよく観ることです。今の時代は変化の時代ですから、経験よりもセンスが求められることの方が多い時代だと言えます。センスというのは言い換えれば「育ち」であり、親の教育です。つまり本人のこと以上に、その人の親がどんな人物であるのかを聞きだすことです。
4番目に「親との関係性」を見ることです。基本的に「自己肯定」ができている人は仕事もできます。「自己肯定」の第一歩は親との関係性であり、逆に言えば自分の親を否定する人は自己否定です。根本が自己否定の人はいくら教育してもモノになりません。
5番目に「自社の理念」「ミッション」に共感する人物を採用することです。もっと言えば社長の「価値観」や「夢」に共感する人物を採用することであり、こういう人物は入社してからも退社しにくいものです。いわゆる“理念経営”や“ミッション経営”は、優秀な人材を採用する上でも不可欠なことだということです。
今、「忙しいけども儲からない」工場が多いですが、これはひとえに従来(リーマン・ショック前)の意識で工場が回っているからだと私は思います。
今までよりも少ないロットだとしても、効率よく機械を回す工夫をしながら、従業員1人あたりの付加価値を上げていくしかありません。それには技術以前に高いマインドとモチベーションが必要です。
また機械工具商社にしても、従来の物販だけでは数字をつくることは、ままならないでしょう。今、業績の良い機械工具商社とは加工・工事・メンテナンスといった物販以外の技術サービスに強い会社です。それにはやはり、技術以前に高いマインドとモチベーションが必要です。
今は昔以上に意識・マインド・モチベーションの高い組織が求められる時代です。そして、そうした組織づくりの第一歩は自社の、社長の理念に共感する優秀な人材の採用からです。
ぜひ上記5つのポイントを活かし、新卒採用を成功させていただきたいと思います。
製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る