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マダラ景気への2つの対策

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この2014年1月の経済産業省の指数速報を見ると、確実に景気が改善してきていることがわかります。

<卸・小売業販売額の前年対比>

2013年10月:102%

2013年11月:102.9%

2013年12月:102.8%

2014年 1月:104%

<鉱工業生産額の前年対比>

2013年10月:105%

2013年11月:106%

2013年12月:106%

2014年 1月:111%

これらはアベノミクスの効果による「円安」の恩恵でしょう。

とはいえ、同じ業界であっても会社によって業績が二極化していることも事実です。実際、雰囲気はいいけども思ったほど数字が上がってこないことに危機感を持たれている方も多いと思います。

私が専門としている生産財業界の場合、過去のパターンであれば全ての輸出関連企業の業績が上がりました。

しかし今回はそうではなく、同じ業種でも業績の良い会社と悪い会社に分かれる「マダラ景気」です。

その要因は2つあります。

1つは自動車・家電・情報機器といった「消費財」の大半が、既に海外移転で国内生産を行っていないことが挙げられます。従って元々消費財の生産が多かったエリアはいまだに不況です。

2つ目は大手企業が国内設備投資を控えているからです。中小企業は「ものづくり補助金」や「設備投資減税」の恩恵を受け、活発な設備投資をしています。ところが大手企業はこの4月からの消費税増税、さらに来年9月の消費税10%増税の影響を見極める為、国内においては最低限の設備投資に止めている状態です。

こうした「マダラ景気」の中で業績を上げている会社というのは「商圏の拡大」を行っている会社、あるいは「業態の付加」を行っている会社いずれかです。

例えばインターネットの活用、というのは「商圏の拡大」にあたります。今やインターネットで売れないものはありません。

先般、私の関係先の機械工具商社は、インターネット経由で隣の市の工場から塗装工事を受注しました。同社はソリューションサイトと呼ばれる集客目的のサイトとメルマガを活用して、新規案件を創出し業績を伸ばしています。

またネット文具販売やメーカー直販にさらされている、地域のOA機器販社の場合でも、業績を伸ばしているのは工事などの「業態の付加」を行っている会社です。

例えば姫路の地域一番店某社は、アイパッドを法人向けに売っていますが、アイパッドそのものの販売ではほとんど利益は残りません。ただし、このアイパッドと社内の基幹システムをつなぐためのVPN回線工事を受託することで、利益を出すと同時に顧客との強い関係性を築くことに成功しています。

また根本的に製造業の国内市場においては、

・消費財の生産 ⇒ 生産財の生産

・自動車・電機・IT ⇒医療機器・エネルギー・

社会インフラ・航空機・三品産業

※三品産業=食品・医薬品・化粧品産業の総称

という産業構造の変革が進んでいる以上、今後マーケットが縮小することは確実です。

そしてこれは日本だけの話ではなく、既に欧米先進国が既に通ってきた道でもあります。

また一般消費者向けビジネスの世界(自動車も含む)では、確実にこの4月以降、消費増税による大きな売上ダウンが起きるでしょう。

もちろん、その影響は我々生産財業界にも及びます。

さらに、現在の「新ものづくり補助金」の反動は確実に来年以降起きるでしょう。

例えば2011年3月末で打ち切られた家電エコポイントの反動は、その後2011年7月のパナソニック尼崎工場の稼動停止を皮切りに、液晶大不況を呼びました。

「新ものづくり補助金」も「設備投資減税」も家電エコポイントと同様、需要の先食い以外の何者でもありません。

仮に足元の数字が上がってきたとしても、それは一時的なものに留まる可能性が高いといえます。

生産財業界の経営者としては、まず、

・前述の産業構造の変革への対応(特定業種に依存しない)

に取り組んだ上で、

・商圏の拡大

・業態の付加

を考えていかなければならないでしょう。

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