注目のキーワード

2014年の市況・時流予測(2)

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前回のレポートでも述べた通り、2014年を考える上で最大のキーワードは「円安」ということです。「円安」は言うまでもなく、外需主体の我々の業界にとっては大きなプラスです。

さらに2番目のキーワードは「消費税」です。

「消費税」が上がれば確実に内需の景気は悪化します。ただし政府としては、今年4月の消費税アップに続き、来年9月にも10%の消費税アップを行う必要がありますから、今年4月以降に景気が失速したら、ありとあらゆる手を使って景気刺激策を打ち出してくるでしょう。具体的にはさらなる「金融緩和」、公共投資などの「財政出動」です。

そしてこうした景気刺激策・金融緩和の一貫で行われる施策が「ものづくり補助金」です。昨年の「ものづくり補助金」は総額1100億円の予算がつきましたが、今年は2200億円と予算が倍増されています。設備投資の費用を一括償却できる「設備投資減税」と合わせ、我々中小企業にとっては設備投資のチャンスです。

では、このチャンスを生かして何に設備投資をしていくべきなのでしょうか?

そこで3番目のキーワード「デフレ対策」を考えていく必要があります。いかに政府が金融緩和を続けても、先進国は生産過剰であることに変わりありません。さらにシェールガスなど新エネルギー革命が起きることで、さらにデフレは加速されます。

デフレ下では高いモノは売れません。普通に商売していたらおのずと価格競争になります。前回のレポートで「良い会社と悪い会社の差が激しい」と書いたのは、この「デフレ対策」ができているかどうかです。

つまり全ての中小企業において今、真っ先に取り組むべきことは「デフレ対策商品」の開発です。従って前述の設備投資も、「デフレ対策商品」の開発につながる様な設備投資を行うべきなのです(この「デフレ対策商品」につきましては、本ブログのバックナンバーで詳細を述べています。そちらをご参照ください)。

さらに、「円安」と「消費税アップ」で潤うのはグローバル展開する大企業だけです。あまり知られていませんが、消費税は輸出企業への補助金的側面を持っています。すなわち輸出企業に対しては、国内で支払った材料費の消費税分が国から払い戻されます(=消費税還付金)。経団連が消費税アップに強く反対しないのは、こうした事情があります。

つまり、現在の政府の施策は完全に大手企業優遇施策です。

従って我々中小企業は、ますます大手企業への営業攻勢を強め、グローバル展開する優良企業と取引を増やしていかなければなりません。

ぜひ今年は「大手企業攻略マーケティング」に、より一層取り組んでいただきたいと思います。

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