注目のキーワード

2014年の市況・時流予測

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

昨年9月の尖閣問題から約半年はリーマン・ショック時並みの非常に厳しい市況でした。しかし今年10月くらいからは本格的に市況が動いてきた感があります。

事実、生産財業界の市況を大きく反映する工作機械受注もこの10月から大きく改善しています。この2013年10月の工作機械受注は1022億4200万円で全体としては昨年対比プラス、内需が40%プラス、外需は5%のマイナスでした。さらに11月の工作機械受注は1017億2600万円と全体が2ヶ月連続で昨年対比プラス、内需がやはり40%プラス、外需も3%プラスということで、外需について言えば14ヶ月ぶりに昨年対比プラスにつけました。

またファナックもロボットの増産に入る様です。今年6月ごろは月産2000台前後であったのが、現在は月産2500台、さらに来年は3000台を越える生産計画であるといいます。

こうした一連の動きの要因は全て「円安」に帰結します。日本やドイツは根本的に資源を輸入して付加価値をつけて輸出する、という「輸出立国」が根本的なビジネスモデルです。従って経済全体で見れば絶対に「円高」よりも「円安」の方が国は豊かになり、景気も良くなります。

ではなぜ、ここにきて「円安」になっているかというと、日銀の金融政策が自民党政権になってから大きく変わったことが挙げられます。リーマン・ショック以降、アメリカはQE3に代表される大幅な金融緩和をずっと行なってきました。金融緩和とはすなわち、お金を大量に印刷することです。変動相場制の今日において、アメリカが大量にお金を刷っているのに日本が何もしなければ、当然のことながらドル安・円高になります。しかし日銀には金本位制時代のアレルギーがあってなのか、ずっと金融緩和に踏み切ることはありませんでした。また民主党政権もそれを実行させる見識もリーダーシップもなかったわけです。

ところが自民党政権となり、アベノミクスで異次元の金融緩和(=お金を大量に刷る)を行なうことで徐々に円高が是正され、現在の1ドル100円を越える円安となったのです。

またアメリカでシェールガス革命が起こり、アメリカの国策としてドル高を容認する動きも円安に追い風となっています。従って部品加工業界・生産財業界はこれから景気も上向いていくと思われます。

ただし、来年4月の消費税アップによる駆け込み需要の反動が危惧されています。また工作機械受注高の内需のアップは、ものづくり補助金によるミニバブルだとの見方もあります。事実、全ての会社の業績が上向いているわけではありません。

例えば、某工作機械メーカーはビッグ3から300億円もの大型受注をしましたが、方や同じ自動車向け工作機械を生産していてもヒマでどうにもならない、と言っているメーカーもあります。

また別の某工作機械メーカーは、月に1台売れるか売れないかというレベルの高級5軸マシンが、今は月に8台も受注しているといいます。主に航空機業界からの受注です。ところが同じ5軸の高級機を生産する別のメーカーは、かつての月産台数程度しか年間に売れていないというのです。

こうしたことの全ての原因は、国内で設備投資が行なわれていないことにあります。設備投資が行なわれるとすればそれは海外です。その結果、こうした好況時の二極化が起きるのです。

そして当然のことながら、業績の良い勝ち組の大手優良企業と取引を行なうことが業績向上の近道です。

既存客にそうしたユーザーが乏しいのであれば、新規開拓を行なうしかありません。

今さら新規開拓しても、大手企業の新規口座は簡単にとれない・・・とそう思われるもしれませんが、それは違います。

中国エリアの私の顧問先の機械工具商社は、大手財閥系の重工メーカーの新規口座が、ほぼ取れそうな状況です。また中部エリアの私の関係先も、同様に大手重電メーカーの新規口座が取れました。

大手企業の口座は簡単に取れない、というのは単なる営業マンの言い訳に過ぎません。戦略的に新規開拓を進めれば、差別化の難しい機械工具商社でも大手企業の口座は取れるのです。

国内の市場が縮小している以上、生き残る為には商圏を広げ、大手優良顧客を新規開拓していくしかないのです。

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

関連記事

アクセスランキング

製造業・工場経営.comを運営する船井総合研究所が提供する各種サービス

ものづくり経営研究会オンデマンド
ものづくりグロースクラウド

無料経営相談の
お問い合わせ