法人営業において新規開拓を成功させるためには、法人営業における2つの空白マーケットのうち、そのいずれかを攻めることがポイントになります。法人営業における2つの空白マーケットとは、
1)採算が合わないから攻めともムダと思われている零細・個人企業のマーケット(=雨ざらし市場)
2)ガードが固くてどうせ受注できないと思い込んでいる大手企業の川上部門(=クジラ市場)
の2つを指します。
まず1)の「雨ざらし市場」とはどんな市場のことでしょうか?例えば居酒屋を例に挙げます。日本国内には約14万店舗の居酒屋があると言われますが、そのうち10万店舗が従業者3人以下の零細店舗です。では、こうした零細店舗に問屋の営業マンが日参するかというと、採算が合わないのでしません。この様に放ったらかしにされている市場なので「雨ざらし市場」と言うのです。
従来はこうした「雨ざらし市場」の居酒屋は自ら業務用スーパーに出向いて仕入れを行なうしかありませんでした。これは大変な労力がかかります。そして、こうした実態に目をつけて居酒屋向けの“BtoB通販”を始めたのがタスカル、ミクリード、リクエといった会社です。各社ともにスタートしてから10年も経たないうちに数十億円といった規模の売上に成長しています。
また同じく従業者3人以下の零細工場をターゲットとする機械工具通販会社のモノタロウも、人的営業の同業他社が苦戦する中、毎月1万件以上の新規口座を獲得し、創業から10年も経たないうちに数百億円規模にまで成長し、現在では東証一部上場企業になっています。
この様な「雨ざらし市場」は他の業界にも数多くあります。今までは人的営業で採算が合わないとされてきた市場が、近年のインターネット通販技術のおかげで、一躍成長マーケットに変化したのです。まさに法人営業における空白マーケットと言えるでしょう。
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