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日本は会社がコミュニティ

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ドイツグレートカンパニーの視察の中で、私が興味深かった会社の1つがアドルフ・ウルト社です。同社は従業員6万3000人、売上高1兆3000億円の機械工具商社で、日本でいえばトラスコ中山が同じ業種であるといえます。

ウルト社もトラスコ中山も取扱商品アイテムは20万前後でPB主体とこの点は変わりません。違いはウルトが直販なのに対して、トラスコ中山は販売店への卸売だという点です。

またトラスコ中山の売上が1200億円とウルトの1/10ですが、従業員は1200名とウルトの4倍近くも生産性が高い点が挙げられます。これはウルトの従業員のうち約半数がセールスレップ(=個人事業主形態の歩合営業員)を活用した直販であるのに対して、トラスコ中山の場合は販売店を通した卸売である点が挙げられます。

欧米ではセールスレップという形態があらゆる業種に見られますが、日本の場合はセールスレップよりも販売店という形態が一般的です。

私はこの要因として、欧米は教会を中心としたコミュニティで個人の精神衛生が保たれているのに対して、日本の場合は会社がコミュニティとなっている点が挙げられると思います。欧米の場合は仕事上の悩みや問題も教会での儀式や宗教的取組みの中で解決していけるのではないでしょうか。日本の場合は会社内での連帯・コミュニケーションによってそれを解決していくのだと思います。

そう考えれば会社の生産性を挙げる上で、会社のコミュニティ機能をより強化していくことが大切なのではないでしょうか。

(本文:632文字)

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