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営業活動に求められるKFSとは

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営業活動で成果を上げるために必要なことが「KFS(キー・フォー・サクセス:重要成功要因)」の設定です。

例えば自動車の販売におけるKFSは「試乗」であり、試乗者の3割が試乗した自動車の購入に至ると言われます。こうした「KFS」を知っておけば無理に車を売りつけることなく、しかも「試乗会」を開催するなど計画的に車の販売台数を増やすことができるわけです。

このKFSの設定で最も成果を上げた事例の1つがハーレーダビッドソンジャパンのケースです。
現在、国内のオートバイの市場は縮小の一途を辿っています。国内オートバイの新車登録台数は1982年の329万台をピークに減り続け、2007年には70万台を割りました。実に1/5近くも市場が激減していることがわかります。

そうした中、ハーレーダビッドソンは1980年代初めには国内で年間1000台程度しか売れていませんでしたが、2007年には1万4976台の新車が売れています。激減する市場の中では快挙とも呼べる実績だと言えるでしょう。

1991年から同社日本法人の社長となり、この成長の原動力となった奥井俊史氏が売った施策の1つがKFSの設定です。すなわちハーレーダビッドソンの試乗です。それまでは高級バイクの代名詞であった同社のマシンはディーラーでも特別な存在で、傷がつかない様に大事に展示されていました。しかし奥井社長は「倒しても結構ですから試乗してください」と試乗車を保険に入れ、ディーラーに積極的に試乗を促す様にしました。

その結果、日本では新しい層にもハーレーが浸透し、本場アメリカにおけるオーナーの平均年齢が47歳なのに対し、日本では41.5歳です。また1割近くが女性オーナーです。この様に“買う人を選ぶ”様にみえる商品でも、KFSの効果的な設定によって大きく業績を伸ばすことができるのです。

もちろんこの「KFS」は、生産財分野の営業活動においても設定することができます。例えば工作機械メーカーであるヤマザキマザックは「出張技術セミナー」と「テスト加工」をKFSに設定して、複合機(インテグレックス)の分野で国内シェアを伸ばしてきました。複合機の分野で同社は国内トップシェアです。

また下請け型の部品加工業の場合でも「KFS」は有効です。例えば私の顧問先のプレス加工業の場合、自社におけるVA・VE提案の内容を“設計者向け出張セミナー”あるいは“設計者向け出張展示会”という形にパッケージ化しています。

プレス加工の場合は「量産」の仕事が取れなければいけません。「量産」の仕事を取るためには、「量産」の仕事を出すだけのキャパのある会社に対して、横展開の営業をかけていくことが早道です。また資材部を窓口にする様な“転注”ではコスト競争になってしまうので、設計・技術部を窓口にする“VA・VE提案”で、設計段階からスペックインしてもらう必要があります。

そうした視点から、プレス加工業の様に「量産」の仕事を獲得する上で“設計者向け出張セミナー”あるいは“設計者向け出張展示会”が有効な作戦となるのです。
この様に、「受注」の手前のプロセスである「KFS」を設定し、そこを押さえていく営業マネジメントを行っていくことが、あらゆる営業における業績アップのセオリーなのです。

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