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ドイツ視察セミナーより:今、日本が学ぶべきドイツ企業

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この10月7日から1週間、ドイツグレートカンパニー視察セミナーに講師として参加していました。
この10年間にドイツ企業が体験してきたことは、これから10年間に我々日本企業が体験することと同じだと思います。今後、産業構造の転換期を迎えた日本がどの様に企業運営を行っていくか、という視点でドイツ視察セミナーのご報告をしたいと思います。

今回の視察ではフランクフルト、ハイデルベルグ、シュトゥットガルト、ミュンヘン、ニュルンベルグと、南ドイツ主要5都市を回りました。

ドイツ企業を視察する上で知っておくべき予備知識として次の5つがあります。

(1)国を挙げてデザインに取り組んでいるかつて世界No1工業国のイギリスとの競争に勝つため、世界最初のデザイン専門学校をつくるなど、国を挙げてデザインに注力。

(2)不安定な政情の歴史もともとドイツは小さな300近くの中小君主国の連合体で、現在でも連邦制をとっています。また中世の30年戦争に始まりナポレオン戦争、第一次・第二次世界大戦で国土が徹底的に破壊されてきた歴史があります。そのため、ドイツ企業は政府や貨幣といったものを信用せず、自社商品をブランド化することで普遍的価値を持たせようとしています。

(3)高い社会保障制度「ゆりかごから墓場まで」といわれる、日本以上に高いセーフティーネットがはられています。例えばデイケアといわれる制度は、日本の4倍以上もの女性の社会進出を実現しています。

(4)働き好きの国民性有名な「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」でも触れられていますが、仕事=天職 とみなす高い職業倫理が備わっている国民性です。

(5)10歳で将来の進路がほぼ決まる日米と違い、大学に進学するのは上流階級の子息など一握りで、大半が職業学校を経て専門職に就きます。しかも10歳くらいで将来の自分の仕事を選択し、それに応じた進学を行います。

特にドイツ企業に大きな影響を与えているのが前述の(2)です。不安定な政情の中、いかに企業を持続させるか、という観点で至った結論が「家族経営」であり「ブランド化」です。そうした視点で、視察8社の概要を説明します。

成田空港での結団式の様子

空路、フランクフルトへはエアバス最新鋭機(総2階建)A380で移動

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