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片山和也の生産財マーケティングの視点【産業構造のシフトに対応できる会社が生き残る】

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9月6日(金曜日)は、先端「町工場」視察セミナーin関西を開催し、京都府城陽市の城陽富士工業と、長岡京市の木村製作所を訪問・視察しました。
↓↓↓先端「町工場」視察セミナーの様子https://factory-business.com/
両社は従業員30~40名の機械加工業ですが、ともにセミナールームを完備した工場で、両社ともに社員の方が自社プレゼンを行い、工場をご案内いただきました。通常、この規模の会社の場合は社長がプレゼンを行うものですが、両社ともに社長は冒頭の挨拶と質疑応答だけで、プレゼンの大半は社員が行いました。
また現場の社員も明るい表情で挨拶をし、社員教育が行き届いている様子がよくわかりました。
今回の視察セミナーも、おかげさまで30席が全て埋まる満席となり、全国から様々な内容の部品加工業の経営者・幹部の方が集まりました。
移動中のバスの中ではご参加企業各社の自己紹介・市況についてご発表いただきましたが、7~8割がたの会社から「7月くらいから明らかに市況が改善している」という声があがりました。
例えば東芝四日市工場への4000億円の設備投資にも見られる様に、IT関係においても仕事が多少戻ってきました。従来、IT関係の仕事を請けていた加工業者が、食品や医療などその他産業に流れていたのが、再びIT関係の仕事に戻っていっているとの話もよく聞きます。
7月の政府景気短観でもあった様に、我が国経済は景気回復に向けて離陸したと考えて間違いないと思います。
しかし、我が国の産業構造は大きく変わりつつあります。
例えば今、最も動きのある業界は医療機器業界です。以前から指摘の通り、医療機器業界の特性として最終メーカーに中堅・中小企業が多いことが挙げられます。その結果、一つひとつの案件は規模こそ目立ちませんが、地域によって特定の医療機器メーカーの名前をよく聞きます。そして、こうした医療機器メーカーは一般には名前も知られていない会社が多く、従業員が1000名を超える様な会社でも上場もしておらず、会社としては全く無名、というケースが多々あります。
また、守秘義務にうるさい会社が多く、また業界のイメージからも「あの会社であんな仕事がある」という話が外部に出ることはほとんどありません。
例えば大阪府伊丹市にある某医療機器メーカーは、社名こそ無名ですが従業員は1000人を超えている成長企業です。この某社の受託生産を行っている協力会社が、やはり優良企業として地域では評価の高い会社で、従業員が130名います。ところがこの協力会社は、ほんの10年ほど前は従業員20名程度の製缶板金業でした。今は自社に設計者まで抱える中堅企業です。ところが、こうした医療機器業界にまつわる急成長の話はほとんど語られません。言い換えれば現在が参入の絶好のタイミング、あるいは最後のタイミングかもしれません。
また、次に動きのある業界はエネルギー業界です。例えば直近では発電タービンの関係の仕事が多数でています。私の顧問先の会社でも高価な5軸加工機を発注しました。原子力の廃棄物容器の案件、リチウムイオン電池の関連、こうした仕事も多く出てきていますが、全てエネルギー関係と定義することができます。
それから社会インフラです。社会インフラとは例えば高速鉄道、エレベーター、住宅といった分野で、これら分野も全て動きがある業界です。
さらに不況期でも安定的に仕事が出る業界が三品産業です。三品産業とは「食品」「医薬品」「化粧品」のことです。化粧品もあまり馴染みの無い業界ではありますが、現在は通販が盛んなこともあって新興化粧品メーカーが多数あって、資生堂など大手メーカーから多くのシェアを取っています。従来、三品産業は景気変動の波が小さいことから「プラス・マイナス5%の業界」と呼ばれてきました。しかしリーマン・ショック以降、他産業の縮小幅が大きいので、三品産業は相対的に魅力的な業界になったのです。
まとめますと、現在動きがある業界は「医療機器」「エネルギー」「社会インフラ」「三品産業(食品・医薬品・化粧品)」さらに「航空機」です。
それに対して厳しい業界は「自動車(=国内設備投資)」、「IT」「電機」です。ITはスマートフォン以外の設備投資はほとんど聞かれません。前述の東芝四日市もスマートフォン向けのフラッシュメモリーです。電機はいまだに苦戦、自動車についても海外以外での設備投資はほとんど聞かれません。
自動車についていえば、現在の国内生産高は年間1000万台です。ところが元々の生産能力は年間1500万台であり、明らかに設備過剰の状態です。さらに国内で実際に売れている数は年間600万台であり、現地生産が基本となる自動車産業は、さらに縮小すると見なければいけません。
こうしてみると、従来は生産財業界において主力産業であった「自動車」「電機」「IT」が衰退し、次の産業として「医療機器」「エネルギー」「社会インフラ」「三品産業」「航空機」が成長産業として台頭してきていることがわかります。
こうしたことが、我が国産業構造の変化です。
しかし例えば医療機器産業がいかに成長産業とはいえ、現状の市場規模は自動車の約20分の1です。また従来産業が消費者向けのマス・プロダクションなのに対し、これからの成長産業は法人向けのオーダー・メイドです。従って、これら成長産業を全て足しても、市場規模としては従来の半分程度になることが予想されます。
事実、消費者市場から法人市場に舵をきることで復活したオランダのフィリップス社は、この10年間で従業員数は20万人から10万人へと半減しています。そう考えれば、これから10年間で我々の業界のプレーヤーの数も半分程度になることは十分に考えられます。
あるいは、それを前提に経営判断を行うのが、賢明な経営であると私は思います。キーは産業構造の変化に対応できるか、どうかなのです。
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