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片山和也の生産財マーケティングの視点【来年、再来年に予想される大不況に備える】

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先日、月次支援でお伺いしたコンサルティング先企業の社長が、来年
あるいは再来年には、また大不況が来るよ、とおっしゃられていまし
た。厳しい生産財業界で30数年に渡り経営を続けられているベテラ
ン経営者の言葉だけに非常に説得力がありますが、社長いわく過去の
自社の業績を振り返ると7~8年に一度、大きな不況が来ると言うの
です。

1978年・・・第2次オイルショック不況
1985年・・・プラザ合意円高不況
1992年・・・バブル崩壊
2000年・・・ITバブル崩壊
2008年・・・リーマン・ショック

確かに、7~8年に一度、大きな不況が来ています。この流れでいく
と、2015年か2016年に大不況が来るというサイクルになりま
す。事実いくつかの懸念材料があります。

まずは消費税増税です。1997年にも消費税増税を行った結果、そ
の後GDPが大きく落ち込んで景気後退が起こり、この時は山一證券
や北海道拓殖銀行が倒産しました。
この増税の時も、GDPが大きく上がり景気が回復したから、との政
府判断で増税を行いましたが、この時の景気回復は阪神淡路大震災に
よる復興需要によるもので、実質的な景気回復ではありませんでした。
そうしたタイミングで行われた消費税増税が、その後の金融不安を招
いたのです。
現在の状況も当時とよく似ていることがわかります。

次に中国問題です。中国では1日に1万件もの暴動が起こっていると
言われています。また現在は金利が13%にもなる金融引き締めを行
っており、国内経済もかなり厳しい状況です。
こうした状況で共産党による一党支配がどれだけ持続するのか、大い
に疑問です。
そもそも中国は他民族国家です。例えば北京と上海とでは言語も異な
ります。中国の人民解放軍は実は弱いとよく言われますが、その理由
の1つは言語の異なる兵隊の寄せ集めだということです。いわば同じ
軍隊の中で言葉が通じないのですから、指揮命令系統が難しいのもよ
くわかります。かつてのソ連と同じです。

従って近い将来、中国が5つから6つの独立国家に分断されることは
容易に想像されます。こうした情勢の変化が世界経済・日本経済に与
える影響は全く未知数ですが、日本にも大きな影響があることは容易
に想像がつきます。

ちなみに97年の消費税増税の後には、タイのバーツが暴落したこと
がきっかけで、アジア通貨危機が発生しています。多くのエコノミス
トが「現在は変動相場制に移行しているから新興国の通貨危機は起き
ない」と言っていますが、これも起きてみなければわからないことで
す。実際、タイもインドネシアもインドも、経済は明らかに失速して
います。現在経済が好調なのは、アジアではフィリピンだけです。

この様に考えると、経営者としてどの様な状況になっても経営が傾か
ない様な手を打っておく必要があります。
その為に、

1)経営ポートフォリオを取る。具体的に特定顧客はもちろん、特定
業種に依存しない様にする。
2)その為に新規優良顧客の開拓を行う。特定顧客への依存は15%
未満、特定業種への依存も30%未満を目指す。
3)顧客・社員から共感されるグレートカンパニーを目指す。

といったことが必要だと私は思います。
歴史は繰り返す以上、景気の良し悪しに一喜一憂していても仕方があ
りません。
どの様な経済情勢であっても、確実に利益が出せる体質づくりが常に
必要なのです。

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