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片山和也の生産財マーケティングの視点【機械工具商社が力を入れるべき「3K」とは】

ここ5年間ほどで、機械工具業界の流通は大きく変わりました。
いまや機械工具の世界もネット通販が勢いを増し、恐らく業界全体の
15%くらいは、ネット通販にもっていかれているのではないでしょ
うか。

今やミスミやMonotaROだけでなく、楽天やアマゾン、アスク
ルまでが工場マーケットに参入してきています。
近年、アスクルは再び増収を重ねる様になりましたが、これは工場マ
ーケット参入による売上アップが大きな要因です。
また、今やトラスコ中山の最大の販売先はMonotaROです。

また、ミスミが手がける切削工具通販である「ツールダイレクト」も、
今や中小鉄工所を中心に広くいきわたっています。
ちなみにリーマン・ショック以前に「ツールダイレクト」を本気で買
おうとする鉄工所は、ほとんどありませんでした。大半の鉄工所が当
時は「海外製の刃物は不安」「国産の方が安心」と言っていました。

ところが今は違います。仕上げはともかく、荒加工はツールダイレク
トで十分、というのが多くの鉄工所の見解です。私のある顧問先の鉄
工所は、国産刃物をいかにツールダイレクトに置き換えるかが、工場
内の改善項目の1つになっています。
また、実力のある中堅鉄工所の中には、自ら中国から直接安価な切削
工具を輸入し、社内で使うだけでなく仲間に販売まで手がけている様
な例もあります。

切削工具だけではありません。伝導機器もネット通販や卸直販が増え
ました。メーカーですらもネットを通じて直接販売を行っています。
某モーターメーカーなどは、販売店への仕切り価格と同じ価格でネッ
ト通販を行っています。

今のところ効果が疑問視されているミスミの伝導機器通販「VON
A」も、ツールダイレクト同様に“カテゴリーキラー(=専門店
)”として台頭してくる可能性は十分にあるでしょう。

こうした現状に対しての対策として、私は次の3つを行うべきだと考
えています。

1)顧客ランク分けと、顧客ランク別営業担当制
多くの会社がエリア別営業担当制をしいています。現在の様に、ユー
ザー自体の業績が二極化してくると、エリア別営業担当制では効率が
著しく悪くなります。
従って顧客ランク分けを会社として行い、その結果に基づく営業担当
制をしくことが必要です。
↓↓↓顧客ランク分けについての詳細

2)ネット通販で業務売上2倍を目指す
ネットに自社の売上がとられているのなら、ネットでそれを取り戻す
のも方法だと思います。具体的には業務でネット通販を手がけ、いわ
ゆる業務売上2倍を目指す。
トラスコ商品など数売れれば仕切りが有利になります。またネット通
販がきっかけで新規開拓ができる可能性が増えます。

3)「3K」に力を入れる
3Kとは次の3つです。
 ① 加工
 ② 工事
 ③ 工作機械
これら3つのK、すなわち「3K」はネットに取られることはありま
せん。しかもナショナルブランド商品の様に、真っ向からの価格勝負
にもなりにくいです。
さらに扱うことによって、営業マンのレベルも意識も上がります。
多くの会社で、上記「3K」のうち ①加工 ②工事 で売上の1割
前後です。この売上を3倍の3割を目指します。
つまりこの部分で2割売上が上がると、多くの会社でかなり収支が改
善されるはずです。
また ③工作機械 については、1人1台を必ず期中(半年)に売る
ことを目標とします。

マーケティング的にいえば、実はユーザーにとって利便性が高いのは、
 1位・・・人的販売
 2位・・・通信販売
 3位・・・店舗販売
です。ですから本当は、人的販売が本当に機能していれば(=提案営
業+人間関係ができていれば)、実は通信販売よりも人的販売の方が
ユーザーは便利です。気持ちも満たされます。
通販サイトや通販カタログに、営業マンが負けているからネット通販
に数字を奪われているのです。

最近、売れている営業マンの話を聞くと、お客とスマートフォンアプ
リの「ライン」でつながっています。お客のスマートフォンと「ライ
ン」でつながっている、ということは相当な人間関係ができている、
ということです。

人的販売は「3K」に力を入れると同時に、お客と「ライン」でつな
がるくらいの人間関係を構築したいものです。

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