片山和也の生産財マーケティングの視点【求められる営業プロセス管理】
効率的に新規開拓を行う上で欠かせないのが「集客」です。
代表的な「集客」の方法として、“インターネット”“展示会”“各
種広告”を挙げることができますが、これら「集客」で獲得できる見
込み客リストの質は、どんな方法でもそれほど変わりません。
つまり展示会で獲得した名刺も、ホームページ経由で入った資料請求
も、そのリストの質は変わらない、ということです。
そして、こうした「集客」から「継続的取引」に至る確率は、どの様
な業種であっても、BtoBの場合はだいたい3%です。
つまり100件の資料請求あるいは引き合いがあったならば、そのう
ち3件が継続的取引に至る、ということなのです。
私の著書で『なぜこの会社には1ヶ月で700件の引き合いがあった
のか? 新規営業開拓の「しくみ化」』中経出版 という本がありま
すが、船井流のBtoBダイレクトマーケティングを行うことにより、
1ヶ月で数百件レベルでの引き合いを発生させることは十分に可能な
のです。
とにかく、引き合い全体の3%しか継続的取引に至らないのですから、
最初の母数を多く集めることが大切なのです。
そうすると「しかし、700件も引き合いがきたら、とてもじゃない
けど対応できないよ!」と思われる方もいるかもしれません。
そこで必要になってくるのが営業プロセス管理です。
例えばホームページとクロスメディア広告により、300件の資料請
求が来たとします。
そうするとまず、この300件を次の基準でA・B・C・Dランクに
分けます。
Aランク・・・絶対に訪問したい先
Bランク・・・近くに行ったら訪問したい先
Cランク・・・訪問はしないけど資料は送付する先
Dランク・・・訪問もしないし資料も送付しない先
ここで、だいたいAランク新規客となる確率は25%です。
そして、このAランク新規客に対しては電話をかけてアポを取ります。
ここでアポがとれる確率は90%くらいです。
さらに訪問して、何でもいいから宿題をもらわなければなりません。
訪問した結果、例えば「じゃあ一度、図面を出しますから見積りをも
らえますか」と言われれば、それは宿題です。
ところが訪問した結果、「じゃあ検討しておきます」といった反応の
場合は再訪問ができませんから、AランクからBランクに落とします。
ここで宿題がもらえる確率は、約50%です。
さらに、その宿題が商談となって受注まで至る確率は、約30%です。
これらのパーセンテージを全て掛け算すると、
25%×90%×50%×30%=約3%
となります。ですから、引き合いから継続的取引に至る確率は3%前
後となるのです。
この時、例えば10件電話をかけているのに5件しかアポが取れない
のであれば、それはアポの取り方が悪い、ということになります。
また、5件訪問しても全く宿題がもらえない、ということになると、
それは営業の進め方に問題がある、ということになります。
この様に営業プロセスごとにガイドラインとなるパーセンテージを決
め、そのパーセンテージと実際の成功率を比較していくと、どこに自
社の問題があるかがわかります。
また営業プロセスで新規開拓を考えると、数百件の引き合いがきても
「どうやってフォローしよう!」と、悩まなくてもすみます。
BtoBの新規開拓というのは、消費者相手のビジネスと異なり、タ
イミングが全ての世界です。タイミングが全て、ということはすなわ
ち確率論、ということです。
確率論なのであれば最初の母数を上げること、また各プロセスの確度
をきちんと管理することが必要なのです。
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