片山和也の生産財マーケティングの視点【タイ視察レポート:タイにおける日系企業進出の現状】
この6月7日(木)~8日(土)まで、船井総研のタイ現地法人立ち
上げに伴う、タイ現地視察を行いました。
その中でタイ・バンコク銀行の副頭取のお話を聞く機会、また現地に
進出している日系企業を視察しましたので、今回はその際のレポート
をお伝えしたいと思います。
1)進出企業の8割が黒字、利益が上がりやすい構造のタイ
(バンコク銀行 小澤副頭取のご講演より)
・リーマン・ショック時(2008年)は、進出企業の1/3が債務
超過。しかし現在は8割の会社が黒字。
・その理由は親会社(主に自動車)が儲かっているということ、また
タイ自体が親日であることが挙げられる。
・特にトヨタ自動車はタイに単体では最大の工場がある。品質は7P
PMであり日本よりも高く、生産タクトは53秒。
・総括するとタイは利益が上がりやすい構造にあるといえる。
・逆に隣の国、ベトナムは厳しい。親会社であるプリンター・家電
メーカー自体が赤字であり、ついてきた下請け企業も苦しい。
・タイ進出で失敗するパターンは、1)目的があいまいな進出 2)
企業内犯罪・労働問題 3)資金繰り である。特に為替リスクが
わかっていない中小企業が多い。
・またタイ人は「職に就く」のではなく「人に就く」。“この人につ
いていきたい!”というリーダーシップが不可欠。
・タイで日本的な細かい要求をしても受け入れられない。郷に入れば
郷に従え、である。