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片山和也の生産財マーケティングの視点【組織はトップで99%決まる】

結局のところ、組織はトップで99%決まります。
町工場からスタートして、社員1000名を超える世界トップクラス
の金型メーカーにまで飛躍させた、社長のお話を聞いて改めて確信し
ました。

現在でこそ、従業員1000名を超える金型メーカーというのは国内
にも数社存在しますが、1960年代の産業の黎明期のころは「金型
業界30名限界説」というのがありました。つまり高度な職人芸が求
められる金型業界は、1人の親方が指導できる限界、すなわち30名
が限界だというのです。

自分の父親が創業した金型工場を継いで二代目経営者となった前述の
社長も、当初はそうした考え方の持ち主でした。
その当時は高度経済成長にさしかかる時代で、その金型工場も日々仕
事が舞い込み、とても忙しい状態だったといいます。その中で、前述
の社長は率先して仕事を受注、社員を怒鳴り飛ばして無理な仕事をこ
なして会社を成長させようとしました。
そうした二代目社長の方針に全社員が反発、何と30人いた社員のう
ち、ベテランを中心に25人以上が一斉に辞めてしまったのです。
残った社員は新人を中心とした数名。
しかし受注した仕事は山積みで、納期が迫ってきている状態です。

困り果てた社長は先代の創業者に相談に行きました。すると先代は二
代目社長に対して「自分がやったことは自分で責任を取れ!」と一喝。
それで腹をくくった社長はトラックに乗り、いわゆるドヤ街で仕事を
待つ日雇い労働者を片っ端からトラックに乗せ、工場に連れてきたそ
うです。それで社長自ら作業を教え、金型づくりに従事させたそうで
す。
もちろん、何ら技能・技術を持たない素人の日雇い労働者です。内心、
とてもまともな金型などできるわけがない、と半ばあきらめていまし
た。
ところが実際には、ベテランの職人がつくるのと遜色の無い金型仕上
がってきたのです。

そこで、この社長は確信したそうです。つまり「1名の本物のプロが
いれば、あとは素人でも仕事はこなせる」ということです。
そこで社員を積極採用し、社員数も100名、200名、300名、
と増えていきました。同社はその後、北米にも工場を建設し、世界中
のほとんどの自動車メーカーと取引する、世界的な金型メーカーに成
長しました。
一見、どの様に複雑に見える仕事でも、熟練を要する様に見える仕事
でも結局のところリーダーの実力によって、組織全体の力が決まるの
です。事実、現在の様な不況期でも好業績の会社の大半が、社員の平
均年齢が35歳未満です。若手を戦力化できているということは、ト
ップが優秀だということです。

いずれにせよ前述の金型メーカーの話は、現在の様な激動期には非常
に有用なエピソードではないでしょうか。組織はトップで99%決ま
るのです。

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