片山和也の生産財マーケティングの視点【米国グレートカンパニー視察セミナーより】
「いかに“お金”以外で動機付けをおこなうか」
10月7日からの5日間、グーグル・パタゴニア・ディズニーインス
ティーチュートを始めとする、米国のグレートカンパニー13社の視
察を行いました。
1)ダーデンレストラン(Darden Restaurants)
2)リクリエーションイクイップメント(Recerationl Equipment)
3)グーグル(Google)
4)インテル(Intel Corporation)
5)ジェネンテック(Genentech)
6)マリオットインターナショナル(Marriott International)
7)オートデスク(Autodesk)
8)セールスフォース・ドット・コム(SalesForce.com)
9)シスコシステムズ(Cisco Systems)
10)パタゴニア(Patagonia)
11)ディズニー インスティチュート(Disney Institute)
12)ホール フーズ マーケット(Whole Foods Market)
13)ノードストローム(Nordstrom)
↓↓↓本視察セミナーの様子はブログでご覧いただけます
https://katayama.typepad.jp/blog/
今回の視察先の選定基準は、GPTW(グレート・プレース・トウ・
ワーク:働きがいのある会社ランキング)上位入賞企業です。例えば
グーグル等は売上高2兆円、従業員3万人を超える大企業であり、手
厚い福利厚生で知られています。こうした大企業であるから「働きが
い」があるのだと、そのような見方もあるかもしれませんが、グーグ
ルの凄さは創業当時(1998年)のベンチャーの精神を、巨大企業
となった現在でも維持している点にあります。また同社は創業からわ
ずか13年しか経っていないことを考えれば、驚異的なスピードで成
長していることがわかります。
こうしたグーグルに代表される米国のグレートカンパニーには様々な
共通点があります。また、我々が取り入れていくべきことも数多くあ
ります。今回の視察から、我々が取り入れていくことができる点を今
回のレポートではお伝えしたいと思います。
<米国グレートカンパニーから取り入れていくべき3つのポイント>
ポイント1
まず、何で「日本一」「世界一」になるのかを決める。
・グーグル 検索で一番
・セールスフォース クラウドで一番
・ホールフーズ オーガニックで一番
今回視察したグレートカンパニーは必ず何かで一番となっている。何
でも良いので「何で一番」になるのかを決める。例えば昨年の船井総
研グレートカンパニーアワードの対象を受賞した福山のスーパー「エ
ブリィ」は、万年赤字の状態から脱却を図るために「唐揚げで一番」
になることを決めました。地域で「唐揚げならエブリィ」と言われる
様になった次は「トンカツで一番」を目指しました。現在同社は年商
370億円で、この3年間は毎年50億円ずつ増収を続けています。
ポイント2
働く動機づけを行う(但しお金以外で)
a)「使命感」による動機付けが一番強い
・パタゴニア 地球環境を守る
・REI 全ての人に良質なアウトドアを
・インテル ムーアの法則(2年で集積度2倍、コスト1/2)
b)自社の「ミッション」を社員・顧客間で共有する
・パタゴニア 良い波がきたらサーフィンに、書籍、テレビCM
・REI 生活共同組合、商品を熟知する社員の3つの提案、体験を
売る店舗
・インテル 創業者の哲学を一般法則に普遍化
c)共通点は創業者(=経営者)自らが「ワクワク」する使命感であ
ること
まずは経営者の自己実現「これを世の中に広めたい!」が、企業理念
となることが望ましい。例えばパタゴニアの「地球環境を守りたい」
といったことは、その代表例である。さらにその理念を社員・顧客が
共感することができれば、その会社はグレートカンパニーである。
ポイント3
中小企業だから福利厚生・ONE to ONEコミュニケーション・
社会貢献 を行う
a)お金のかからない福利厚生もたくさんある
・グーグル お金がなかった創業期の“キャンパス”を今も継続
-例えばビーチバレー場ならすぐつくれる
-「おいしい食事」は給料UPよりローコスト(お金はいくらもらっ
ても満足しない、食事は食べる量に限界がある)
・REI アンダーソンアワード(社内表彰)
-現場リーダーの権限でピアボーナス
b)社員自身が「大切にされている」と思う環境づくり
・会議よりもトップ・リーダーとのONE to ONEコミュニケー
ション
・大組織にも関わらず、ほぼ全てのグレートカンパニーが実施
-インテル 現場マネージャーとCEOが直接対話
-REI 経営陣が優秀な社員をプライベートで歓待
c)積極的な社会貢献・・・社員・顧客が誇りを持てる会社
・セールスフォース One-One-Oneルール
視察を行った結果、取り入れていくべき3つのポイントについてお伝
えしました。近日中に、本視察の詳細を「生産財マーケティングドッ
トコム」にもアップします。本視察セミナーの詳細は、そちらもご参
照いただきたいと思います。
いずれにせよ、これらグレートカンパニーはいずれも「社員満足」と
言っていますが、「社員満足」の前に必要なことは、実は「社長満
足」です。これらグレートカンパニーは、まず経営者自らがワクワク
することに取組み、それを使命感とし、それに共感する社員が集まっ
てできた会社です。そう考えれば「社員満足」の裏返しが「社長満
足」であり、逆に社長が楽しくないのに社員が楽しい会社などありえ
ないでしょう。
また大企業だから福利厚生なのではなく、資金力の乏しい中小企業だ
から福利厚生・働きがいのある職場なのです。資金力があれば給料を
上げれば済む話です。福利厚生というのはお金のかかることばかりで
はありません。ぜひそうした視点で、グレートカンパニーの取り組み
を、自社でも取り入れていただきたいと思います。
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