片山和也の生産財マーケティングの視点【求められる若手社員の戦力化】
先日、板金加工業経営革命セミナーが船井総研の大阪本社で開催され、
全国から多くの部品加工業経営者の方がお集まりになられました。
↓↓↓板金加工業経営革命セミナー2012の様子
今回の特別ゲストは株式会社最上インクス 代表取締役社長 鈴木
滋朗 氏でした。同社は薄板板金加工技術では日本一と言われる会社
ですが、97名いる従業員の平均年齢は33歳です。業界の常識で言
えば、精密板金加工の世界では一人前になるのに10年以上かかりま
す。しかし同社では業務を標準化すると同時に、若手に積極的に仕事
を任せることによって若手の戦力化に成功しているのです。
また、大阪に本社を置き関西エリアで業績を伸ばす生産財商社S社も、
120名いる従業員の平均年齢は35歳です。生産財とは工場で使用
される生産設備のことです。やはり業界の常識では、一人前になるの
に最低10年以上はかかります。ところが同社の場合も20代の若手
を戦力化し、業界が不況な中で逆に積極的な営業所展開を行い業績も
伸ばしています。
この様に技術系の会社にせよ販売系の会社にせよ、社員の平均年齢の
若い会社、言い換えれば若手を戦力化できている会社は業績が良いの
です。
手前みそな話で恐縮ですが、実は船井総研にも同じことが言えます。
世間の常識では、経営コンサルタントは最低10年程度の経験を一般
企業で積み、その知識・経験を生かして行うものだと考えられていま
す。しかし約600名いる船井総研社員の平均年齢は34歳です。ま
た同業のコンサルティング会社の多くが業績を落とす中、当社は増収
増益の見通しです。やはりどの様な業界であっても、若手の戦力化と
いうのは重要なテーマであることがわかります。
船井総研では若手を戦力化する意味で、年代別にコンサルタントとし
て取り組むことを次の様に分けています。
20代・・・ 事実だけを伝える
30代・・・ 仮説を伝える
40代、50代・・・経営システムを伝える
60代・・・人間観を伝える
70代・・・宇宙観を伝える
例えば20代の若手が「人生観」を語ったところで、誰も耳を傾けな
いでしょう。しかし「この会社はこうしたWebサイトで毎月これだ
け見込み客を集めています」という“事実”であれば、相手が20代
の若者であっても経営者は耳を傾けてくれます。この様に、経営者さ
えその気になれば、どの様な業種であっても若手の戦力化は可能なの
です。
しかし、現在の20代の若手は様々な課題を抱えていることも事実で
す。例えば表面上はお客と順調にコミュニケーションがとれている様
に見えて、実は大きなクレームが裏側では発生しているということが
よくあります。例えば私の関係先の某社で、ある20代の営業担当者
が担当している顧客の売上が、どんどん落ちていくということがあり
ました。その後担当を代えてわかったことは、この20代の営業担当
者は見積りも遅く、要求されて「やります」と言ったことに対して返
さないということが度重なり、ライバル商社に売上を奪われていたの
です。
この様に、一見すると「無責任」にとれる行動を無意識のうちにして
しまう若手が存在することも事実ですが、彼らには2つの共通点があ
ります。それは、
1)自分の親と友達感覚である
2)学校で厳しく叱られたこと(体罰など)がない
という2点です。いわば今まで生きてきた人生の中で「畏敬の念を持
つ相手がいない」ということですから、生半可なことでは改善しない
であろうことも事実です。これは船井総研でも同じ話です。
しかし仮にこうした課題があったとしても、若手社員の持つエネルギ
ーは強力です。若手社員を戦力化するためには、
・若手でもこなせるビジネスモデルをつくる
・若手リーダーをつくる
・理念経営・ミッション経営を行う
ことが必要です。次回以降のレポートで詳しく述べていきたいと思い
ます。
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