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片山和也の生産財マーケティングの視点【人脈は引き継げない】

最近、私の新著「技術のある会社がなぜか儲からない本当の理由」を
読まれた、という経営者の方からの経営相談が多く入ります。
また、ご相談に来られる経営者の方の大半が、60歳以上の事業承継
を優先度の高いテーマとして考えられている方です。
また、ご相談に来られる多くの会社が高い技術力を持ち、今までは営
業などしなくても、相手から仕事が来るような優良会社なのです。

では、そうした優良会社がなぜご相談に来られるのでしょうか。
それは、現在は経営者ご自身の魅力・力により紹介やクチコミで仕事
がとれているものの、それを次世代にどう継承すればよいのか、とい
う問題で悩まれているのです。

また、紹介やクチコミだけでは景気が良かった時代のペースでは引合
いも入ってきませんし、取引先の数も増えません。いつの間にか特定
の取引先への依存度が上がり、気がつくと粗利率が低下して儲からな
い構造になっていた、というお話がとても多いわけです。

船井総研の創業者である船井幸雄も言っていますが、人脈は引き継ぐ
ことができません。船井総研も当初は船井幸雄だけが営業を行なって
いました。しかしこのままでは会社は大きくなりませんし、事業を永
続していくこともできません。船井幸雄には船井総研を上場させると
いう、当時はコンサルティング会社の上場など不可能と言われた時代
に、事業の永続性を示す必要があったわけです。
そこで船井幸雄はある日、自分自身が営業するのをやめました。その
代わり、社員に営業をさせることにしたのです。

普通、コンサルティング会社というのは役員以上の幹部クラスしか営
業を行ないません。ところが船井総研の場合は新入社員も含めてコン
サルタント全員が営業活動を行います。そうしたビジネスモデルをつ
くっている訳です。そうした結果が、500人近いコンサルタントの
数や収益性の面で、一応国内ではトップクラスのコンサルティング会
社となれている背景にあるのです。

特に下請け型の製造業も同じことが言えます。社員は真面目で優秀な
技術を持っているけども、営業ができるのは特定の人だけ(多くの場
合が社長)というケースが多々ある訳です。
といって営業マンを採用してすぐに戦力化するかというと、そうはう
まくいきません。技術を理解しないことには売ることはできませんし、
そうした即戦力となるような優秀な営業マンを、中小企業が簡単に採
用することは難しいのが現実です。ニッチな技術が多い生産財業界の
場合、中小企業だけでなく大手企業でも営業マンの確保に苦労してい
るからです。

では、どうすれば良いのかといえば、営業活動を「集客」「クロージ
ング」「顧客フォロー」に分け、まずは「集客」の部分を自動化する
訳です。こうした話が、私の著書の主な内容になっています。従来は
消費財やIT業界で主に行われていた話を、生産財業界に置き換えた
わけです。

例えば機械工具商社の場合は、生産技術者向け技術セミナーで各会場
50名前後の新規顧客を集客し、そこから新規開拓につなげています。
町工場の場合はソリューションサイトというWebサイトを活用しま
す。船井総研の場合も年間1000本を超えるセミナーを開催してい
ます。
そして集客した後にいかに受注につなげ、リピート客化につなげる仕
組みをつくるかが必要です。もちろん仕組みだけでは実際の仕事には
つながりません。介在する人のレベルも上げなくてはなりません。
レベルを上げる為には環境が大切で、その環境が前述の「仕組み」な
のです。

いずれにせよ、組織・財務管理や技術も標準化、次世代への継承が求
められますが、営業も同様の話です。むしろ、営業がもっとも大切で
しょう。とにかく「人脈は引き継げない」からです。そして営業にお
ける標準化・次世代への継承において最も重要なのが「集客」のプロ
セスなのです。

経営コンサルタント 片山和也ブログ でバックナンバーをご覧に
なれます。

生産財マーケティングのことなら生産財マーケティング.COM>>> https://seizougyou-koujoukeiei.funaisoken.co.jp/

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