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片山和也の生産財マーケティングの視点【営業PDCAを回すことが業績を上げる】

前回のレポートで、業績を上げる為の新規開拓売上比率を上げるため
には、「新規開拓」担当の営業と、「深耕開拓」担当の営業とに分け
る必要があると述べました。
↓↓↓新規開拓売上比率について

これは販売店にせよ製造業にせよ、ルートセールス主体の法人営業は
どうしても「御用聞き」的体質になりやすいからです。御用聞き体質
のルートセールスでは、提案営業が必須の新規開拓は難しいからなの
です。

では、既存顧客対象のルートセールスの部隊は何をするべきかという
と、営業PDCAサイクルを回すことが求められます。
具体的には、
・先行管理
・差額対策
・実行支援
この3つを行っていくことが、営業PDCAサイクルを回すことにな
ります。

まず「先行管理」ですが、これは縦軸に既存顧客を並べ、横軸に3ヶ
月先までの売上見通しを入れていきます。その合計が3ヶ月先までの
売上見通しとなりますが、その見通しと目標予算との差額をいかに埋
めるかが、PDCAサイクルの最初のステップである「P=計画」と
いうことになります。

この時、営業マン1人あたりが担当する顧客数が多い場合は、例えば
月次売上50万円以上の顧客だけを管理する、といった形にして顧客
数の数は全部で20社を超えないようにします。つまり小額取引の顧
客は「その他」という扱いにするのです。あまり多くの顧客を会議帳
票に載せても、結局議論することができません。

またこの時大切なことは、現在は取引金額が小さくても、攻略すれば
取引金額が上がる可能性がある顧客は「攻略客」として、現状の取引
額が小さくても会議帳票に載せるべきです。

日々コンサルティングをやっていて感じることは、営業マンが挙げて
くる「攻略客」は規模が小さかったり、既に入り込めていたり全く
「攻略客」ではない様な顧客を、平気で「攻略客」として挙げてきま
す。では、その上司の課長クラスが部下の「攻略客」を把握している
かというとそうではなく、上司も部下の顧客のことが把握できていな
いのです。

どの顧客が安定した売上をもたらす「ベース客」なのか、あるいはス
ポット的売上の「スポット客」なのか、さらに攻略すべき「攻略客」
なのかを、先行管理の営業帳票をつくることで会社として共有するこ
とが大切です。

そして営業会議の場は、こうした「先行管理」で明確になった予算に
対する見込数字の差額を、いかに埋めていくかという「差額対策」が
議論されなければなりません。
この時、会社として発行する「ニュース」「チラシ」や「キャンペー
ン商品」の設定を行うことが、「差額対策」を実行する為の「実行支
援」ということになります。

つまり営業PDCAサイクルは、「先行管理」「差額対策」「実行支
援」を定期的な営業会議の場で回していく、というサイクルになるの
です。

そもそもマネジメントの定義はPDCAサイクルを回すことであり、
PDCAサイクルが回らない事業は、その事業の質が向上しません。
例えば生産現場では、PDCAサイクルが回らないと大変な問題にな
りますから、生産PDCAサイクルは会社を挙げて皆さん回しておら
れます。
ところが営業PDCAサイクルは、うまく回っていなくてもすぐには
会社の死活問題にならない為、多くの会社がうまく回っていません。
しかし現在の様な不況になると、営業PDCAサイクルが回っている
会社と、そうでない会社とでは業績に大きな差がついています。

ぜひ営業PDCAサイクルを回すことに、会社ぐるみで取り組んでい
ただきたいと思います。

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