片山和也の生産財マーケティングの視点【素人を戦力化・プロ化するポイント(2)】
特に営業において素人を戦力化・プロ化する上で最大のハードルとな
るのが「商品知識」です。商品知識を短期間でマスターするためには、
何か特定の商品に絞り込んで身に着けさせることが有効です。
例えば船井総研の場合は、様々なコンサルティングテーマがある中で
「集客」に絞って新人にマスターさせます。具体的には“折り込みチ
ラシ”“DM”“Webサイト”といったことが挙げられます。どう
いった業種であっても「集客」は業績アップの第一歩ですから、ここ
の部分がマスターできれば、最低限のコンサルティングを行なうこと
ができます。
しかも船井総研の場合は全般的な「集客」ということではなく、さら
に“業種”を絞り込んだ上での集客を新人にはマスターしてもらいま
す。なぜならインターネット集客、というテーマであればライバルは
多数存在します。ところが例えば“板金試作業界専門のWeb集客専
門家”ということになると、競合は存在しません。テーマを絞り込ん
だ上で、さらに業種も絞り込んで知識を習得させるのが船井総研の新
人コンサルタント育成法です。
生産財業界の場合、膨大な商品を扱う機械工具商社であれば特徴的な
商品に絞り込んで新人に習得させるべきです。特に従来の工法から新
たな工法に置き換えることで、コストダウンが図れるような生産財な
どは最適です。例えばワイヤカット放電加工機は、フライス加工から
置き換えることでコストダウンが図れるケースが多々あります。こう
した商品は新人向け商品としては最適だといえます。
さらに部品加工業であれば、まず汎用旋盤・汎用フライスを扱わせ、
工業高校実習レベルのワークが削れるレベルにもっていくことです。
また図面の読み方をマスターするためには、自分自身で図面が描ける
ようになるのが早道です。三角図法・メルカトル図法くらいを工業高
校向けテキストでレクチャーするのが良いでしょう。こうしたテキス
トはアマゾンで購入することもできます。汎用機での機械工作、また
手書きによる製図は機械加工を理解する上での早道です。
また営業活動というのは見た目で7割が決まります。髪形は整髪料を
つけてきちんときめる、ヒゲをきちんとそる、ネクタイはディンプル
とブリッジをつけた上できちんとしめる、体にあったスーツを着る、
磨かれた靴を履く、靴とベルトの色を合わせる、適切な色の靴下をは
く、といったことです。
売れない営業マンというのは、中身以前に外観がまずできていません。
逆に外観がきちんとしていて、ダメ営業マンというケースもまずあり
ません。意識を変えるためには行動を変える、という言葉があります。
外観を整える、ということも行動を変えることにつながります。
もちろん営業ツールを充実させることも大切です。特に営業活動で成
果を挙げるために有効なツールがアプローチブックです。
アプローチブックとは自社の商品・サービス案内のためのツールです
が、一般の会社案内が文字通り会社を案内することが目的なのに対し、
アプローチブックの目的は「引合い」を獲得することにあります。
「引合い」を獲得するためには、
1)相手のガードを下げる
2)相手を共感させる
3)相手に自社と取引することでの利益を感じさせる
上記のステップを踏む必要があります。これはベテラン営業マンであ
れば無意識に行なっていることです。
アプローチブックとは、アプローチブックを順におって説明していく
中で、自然と上記の流れになるような営業ツールです。事前に社内で
ロールプレイング教育を行なう上でも有効な教材となります。
このように、新人の戦力化についてはすぐ取り組めることも多数あり
ます。生産性を上げる為はもちろん、組織を活性化させる上でも新人
の早期戦力化は必須の経営課題です。ぜひ会社全体で取り組んでみら
れたらいかがでしょうか。
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