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片山和也の生産財マーケティングの視点【“自社らしさ”の強い会社が成功する】

オバマ大統領が35兆円もの経済対策を打つそうですが、来年の大統
領選挙を見越して経済施策を行なおうとしています。
来年は米国だけでなく、中国、韓国、台湾、フランス、ドイツ、イギ
リス、ロシアと、世界の主要先進国で指導者が交代する年です。

各国ともに経済施策が打たれるので、2012年前半は世界経済も何
とかもちこたえるかもしれませんが、2013年、2014年は世界
的な恐慌を覚悟しておかなければならないでしょう。
今、考えなければならないことは来るべき不況への対策です。

現在、目に見えて好調な会社というのは、“自社らしさ”が際立って
いる会社です。

例えば“絶対に緩まないネジ”をつくる、ハードロック工業。公共関
連投資が落ち込み、ネジ業界も苦戦している会社が多い中、同社の業
績は好調です。

ネジは理論上、必ず緩みます。締結軸力方向と垂直方向からの揺れに
対して、緩みが生じるからです。これをユンカーの法則といいます。
ところが同社のハードロックナットは、この揺れに対して逆に締結を
増す構造になっています。従って絶対に緩みません。
また、そのメカニズムは有限要素法により理論的に解明されています。

ハードロックナットが開発されてから38年が経ちますが、未だに同
社の商品は注目を集め、安心・安全を求める世相からも採用が進んで
います。もちろん同社の商品にも課題はあります。
独特な偏芯構造のために小径ネジには不向きなことと、ダブルナット
という構造の特性上、量産に向かないといったことです。しかしこう
した課題があるからこそ、その商品は永遠に進化し続けるわけです。

いずれにせよ、不可能と言われても絶対に緩まないネジをつくるとい
う強い理念が、中小企業ながら同社を強い会社にしているのです。

“自社らしさ”の強い会社というのは、このように普遍的なテーマを
掲げ、それを追求する会社とも言い換えることができます。
先ほど述べたハードロック工業だけでなく、常に自社が提供する価値
が何なのか考え続け、自らテーマ設定してそれを追求する会社、“自
社らしさ”の強い会社は不況時でも安定的です。

松下電器産業の「水道哲学」の原型となった考え方で、「高く買って
安く売る」という商哲学があります。この意味は、自社で高い付加価
値をつけた上で、価格以上の価値を提供するというところにあります。

今こそ経営者は自社が提供する「価値」とは何なのか、どんな普遍的
なテーマに挑戦するのか、真剣に考える時ではないでしょうか。

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