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片山和也の生産財マーケティングの視点【海外への生産移転と商品力の関係】

年末が近づき、各経済誌はこぞって「2012年予測」の特集を組ん
でいます。各誌見解は異なる部分が多いのですが共通している点は、
世界レベルでの自動車需要は一貫して伸びる、ということです。

先般、セントラル自動車・関東自動車・トヨタ自動車東北が合併して
「トヨタ自動車東日本」が誕生しました。トヨタ自動車東日本は15
00cc前後以下の“コンパクトカー”で世界一を狙っています。
来年はトヨタ自動車も過去最高の生産台数を計画していますので、生
産財業界の関係者としては期待したいところです。

事実、先月末あたりから自動車関連の設備引合いが増えているようで
す。タイ洪水の特需もあるようですが、海外中心ではありますが来期
計画の実需も多いようです。
また、元々競争力のある製品をつくっているメーカーは超円高の影響
もそれほど受けていないようです。例えば三菱重工業のホブ盤はこの
先1年くらいの受注をしているとのこと。またファナックのロボドリ
ルも月産2000台ベースの増産が続いています。
同じ工作機械でも中国製は減速しているようです。ファナックの中国
向けNC装置の輸出は今年4月で8000セットあったものが、現在
は1500セット前後だといいます。NC装置は中国製の工作機械に
組み込まれるものです。つまりそれだけ中国製の工作機械は出荷が落
ちているということです。

今は超円高といわれていますが、先ほども述べたように本当に競争力
のある製品は致命的な影響を受けていません。最近は製造業の海外移
転が問題になっているようですが、私は為替対策での海外移転はナン
センスだと思います。なぜなら為替は変動するものであり、円高にな
るということは円安に振れる可能性もあるからです。

そもそも国内で製造して採算が合わない製品を海外に製造移転して、
それで本当に競争力が上がるのか、という問題もあります。
例えば私の前職の話ですが、私は前職で工作機械の販売をしていまし
た。その当時私の部署では三洋電機の大阪住道工場がメイン顧客で、
その工場ではビデオデッキの生産を行なっていました。私の会社から
は自動盤といわれるCNC旋盤や研磨機を大量に納入していました。
ところがそのうち国内生産では採算が合わなくなり、マレーシアに生
産を移管しました。その後さらにマレーシアでも採算が合わなくなっ
たとのことでインドネシアに移管、その後三洋電機はビデオデッキか
ら撤退したようです。

他のメーカーを見ていても同様です。国内で生産して採算が合わない
ものを海外に生産移転して、その後その製品の競争力が上がるケース
は極めて稀です。海外に移管された商品のほとんどはその後衰退して
います。その典型的な例が“こたつ”と“扇風機”でしょう。今、量
販店で売られている“こたつ”“扇風機”は聞いたこともないような
メーカーがその大半です。言い換えれば、どこがつくった商品であろ
うが、消費者としては問題にならないレベルの商品だということなの
です。

そう考えれば製造業としては、常に国内で生産しても採算が合う製品
を探していく必要があります。商品のライフサイクルも時代とともに
移り変わるからです。
国内生産で高収益を上げている優良企業は数多くあります。経常利益
率40パーセントを超えるファナックはオール国内生産です。また、
一見すると付加価値が低く見えるスイッチボックスを製造する未来工
業も、全て国内生産です。つまり十分な付加価値が出ていれば為替の
問題は致命的にはならないということです。

リーダーは安易に世相に振り回されるのではなく、いかに自社の付加
価値、自社製品の付加価値を上げていくかを考えることが大切だと思
います。

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