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片山和也の生産財マーケティングの視点【2012年の時流予測と、リーダーに求められる歴史観】

多くの人は景気の良い状態が続くと、この良い状態がいつまでも続く
かのような錯覚に陥ります。また逆に悪い状態が続くと、これもいつ
までも続くかのような悲観的な見方に陥ることが多くあります。
従ってリーダーとして、歴史観といいますか時代を見通す技術・指針
といったものを持っておく必要があります。それが中国の帝王学の考
え方です。

例えば干支の考え方による暦は、中国の陰陽五行説に基づくものです
が、陰陽五行説によれば歴史は60年周期のサイクルを持つといわれ
ます。例えば正式な干支は60年で一巡しますし、人間も60歳をも
って還暦(=元に還る)を迎えることになります。
そして歴史はこの60年サイクルで、「権力の時代」⇒「激動の時
代」⇒「教育の時代」⇒「経済の時代」⇒「大衆の時代」というスパ
ンを繰り返すというものです。

例えば明治維新は1868年です。その60年後は1928年で世界
大恐慌、さらにその60年後は1988年でバブル経済崩壊の時期に
あたります。これらの時期は国家の力が強まり大きな規制や増税が行
なわれるなど、その後の激動期(西南戦争などの内乱・太平洋戦争・
EU危機)につながっていることがわかります。これは陰陽でいえば
「陰」の時代であって、気運が下降する時期にあたります。明治時代
でいえば1897年(明治30年)くらいまでこうした時期で、戦後
で言えば1957年の朝鮮戦争あたりまでがこの「陰」の時期にあた
るといいます。

ただしこうした気運が下降する時期が過ぎると、明治の時代で言えば
第一次大戦特需から大正デモクラシーへ、そして昭和の時代で言えば
朝鮮戦争特需から高度経済成長・バブル経済へと「経済の時代」から
「大衆の時代」に移行していることがわかります。
この時代は気運が上昇する時代であり、これを「陽」の時代と言うの
だそうです。これを平成の現在にあてはめると、2018年から気運
が上昇する時代に移行することがわかります。

そしてリーダーが持つべき歴史観というのは、その時代にあった行
動・立ち振る舞いを取らなければならないということです。では、現
在のような激動期に勝つ組織体の要件というのは、
 1)攻撃的・個性的であること(自社らしさ・独自性の強い会社)
 2)自ら受注し、顧客を増やせる力があること(受注ソースを他社
に依存しない会社)
 3)自社の信者客(=熱狂的なファン)をつくれる会社
ということになります。事実、今の時代に好業績な会社というのは、
いずれも個性的で自社らしさを全面に押し出している会社ばかりです。

また1)で述べた“攻撃的”というのは言い換えれば新規開拓力があ
るということであり、“個性的”というのは信者客づくりにつながる
話でもあります。

このように、現在は激動期であることは間違いの無いところでありま
すが、そうした中で2012年は世界主要国の首脳が入れ替わる踊り
場のような年です。このような政権交代の時期には大きな景気後退は
起きにくく、特に2012年11月のアメリカ大統領選挙までは現在
の踊り場的状態が続くものと思われます。そう考えれば、先ほど述べ
たような体質に組織を変えるのであれば、今年は最後のチャンスとも
言える年かもしれません。

いずれにせよリーダーの仕事、特に経営者の仕事は社員に夢を見せる
ことにあります。そうした意味で先の見通しを立てることは必須であ
って、その時にこうしたリーダーとしての歴史観が求められることに
なるわけです。

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