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片山和也の生産財マーケティングの視点【商品力とは何か】

先週は製缶板金加工業向け、また機械工具商社向けに2本のセミナー
を実施いたしました。その中でお伝えしたことは、現在のような成熟
期において「価格競争回避」を行うためには、自社の「商品力」を上
げなければならない、ということです。

商品力とは、その会社しかからしか買えないような商品・サービスが
どれだけあるか、という力のことをいいます。また商品力は次の式で
表すことができます。

 商品力=価値/価格

つまり、価格をぐっと下げて、さらに価値がそのままなら商品力は上
がります。しかし多くの企業でみられる現象は、価格を下げ、価値も
下げてしまっていることです。
価格を下げても価値が下がってしまっては、商品力はそのままです。
もっと言えば価格が下がってしまう分、悪循環であるといえます。

しかし本来の商売というのは、価格を下げるのではなく、価値を上げ
ることで商品力を上げていかなければなりません。

では価値を上げるにはどうすれば良いのか。それを考えるためには
「価値」を因数分解して考えることが求められます。「価値」を因数
分解すると次のようになります。

 価値=提案力×技術力×品質・納期力

ここで、短期的に最も高めることができるのが“提案力”です。技術
力を短期的に高めることは難しく、そして品質・納期力も高めていく
には中長期的な取組みが必要です。

ここで、提案力とは部品加工業であれば、設計者に対するVA・VE
提案(すなわち設計段階からのコストダウン提案)、機械工具商社で
あれば、現在差し迫ったニーズとなっている省エネコストダウン提案
です。

「提案」の反対が「御用聞き」であり、御用聞きでは価値が上がりま
せん。従って商品力も上がらない、ということです。

いわゆる「技術」で差別化できるケースというのは稀ですし、それに
はテーマ設定と時間が必要です。中長期的には、他社が真似のできな
い技術を磨いていくことは当然のことですが、短期的には時流に合わ
せた提案を世間に対して行っていくことが非常に重要なことです。

こうした時流にあった提案が何であるか考え、それを収益に結び付け
ていく活動がマーケティングです。ぜひ皆様の会社におかれましても、
提案力を上げるためのマーケティングを行い、自社の提供する価値を
上げていただきたいと思います。

生産財マーケティングのことなら生産財マーケティング.COM>>> https://seizougyou-koujoukeiei.funaisoken.co.jp/

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