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片山和也の生産財マーケティングの視点【部下を叱る技術】

先般、同文舘出版より、「部下を育てるリーダーが必ず身につけてい
る 部下を叱る技術」という本を出版しました。
その影響なのか先日、あるビジネス番組から取材がありました。私が
聞かれたのは「なぜ最近の上司は叱り方がわからなくなってしまった
のか?」という内容でしたが、私は「叱り方がわからない、というよ
りも叱りたくない、ということの方が正しいのではないですか」とお
答えしました。

「叱る」という行為は、いわばリスクをとる行為です。叱った結果、
部下がモチベーションを落とすかもしれませんし、その後のコミュニ
ケーションもとりづらくなるかもしれません。あるいは最悪の場合、
叱ったことが原因で会社を辞めてしまうことがあるかもしれません。

最近はリスクをとる管理職が少なくなったと私は思います。例えば会
議です。何も発言しない管理職が非常に多い。

例えば、先日、ある顧問先の幹部会議にオブザーバーとして出席して
いました。今期の着地見通しを総務部長が発表した時、明らかに聞き
取れなかったので、私は「すいません、今期の利益見通しをもういち
ど教えていただけますか?」と聞きなおしました。私が聞きなおすと、
ほっとした表情でメモをとる管理職が何人かいましたが、なぜ彼らは
「聞こえませんでした、もう一度お願いします」と言えないのでしょ
うか。その時はきまずいかもしれませんが、わからないままでいるよ
りはずっと良いでしょう。なぜなら管理職には会社の方向性を部下に
きちんと伝達する義務があるからです。

私の経験上でいえば、自らリスクをとった方が、不必要に大きなリス
クを背負うリスクは避けられるのですが、自らリスクをとる管理職が
少なくなったように感じます。それが、部下を叱れない上司が増えた、
そして「叱り方がわからない」という発想に転化するのではないでし
ょうか。

バブル崩壊後、上司といえども常にビジネスで成果を上げることが難
しい世の中になりました。営業面でも、上司として圧倒的に成果を上
げることができた高度経済成長の時代、バブル経済の時代であれば
「俺はこれだけやっているんだ!」と、上司も部下を叱りやすい環境
であったかもしれません。
しかし今は、必ずしもそうした環境ではありません。だから「実績」
も必要ですが上司としての「哲学」がしっかりしていないと、部下を
叱ることはできないでしょう。

では上司としての「哲学」とは何でしょうか。それはリーダーとして
どのようなことがあっても、うろたえないこと。常に強気でいること
です。強気、というのは発言内容が常に未来に対して前向きに向いて
いるということです。

中国の暦によると60年で1つのサイクルをなします。そして60年
に一度、激動の時代がくると言われていますが、まさに今がそれでし
ょう。そうした時代に組織の命運はリーダーで100パーセント決ま
るのです。

経営コンサルタント 片山和也ブログ でバックナンバーをご覧に
なれます。
片山和也ブログ ⇒ https://katayama.typepad.jp/blog/

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