片山和也の生産財マーケティングの視点【激動期は「信者客」づくりが業績アップにつながる】
成熟期になると、従来のビジネスモデルが通用しなくなってきます。
例えば1970~90年は日本全体が成長期であり、こうした時代に
主流であったビジネスモデルは「プッシュ型営業」です。
しかし市場にモノが行き渡り飽和してくると、世の中は成熟期に入り
ます。日本でいえば1990~2010年は成熟期です。成熟期にな
ると、見込み客をチラシやWeb、広告などで効率的に集めた上で営
業をかける「プル型営業」というスタイルが有効になります。
さらに現在は激動期ともいえる状態です。こうした時代に最も重要な
のは自社にとっての「信者客」の存在です。
「信者客」というのは、
・価格競争無しで自社を指名してくれる
・リピート率が高い
・自社の収益に貢献してくれている
という顧客のことです。
従来のビジネスモデルでは、チラシやWebなど各種広告を使用して、
「潜在客」を「見込客」化し、「見込客」に営業をかけて「顧客」
「リピート客」にする、という考え方でした。
これに対し「信者客」をつくるためには、見込客の段階から顧客を
「ファン客」化し、日々の営業・販売活動の中で「信者客」に昇華し
ていくプロセスが求められます。これが「コミュニティ型営業」とい
われる手法です。
つまり時代の流れと、それに適応するビジネスモデルを挙げれば、
成長期・・・プッシュ型営業
成熟期・・・プル型営業
激動期・・・コミュニティ型営業
ということになります。つまり、これからのビジネスモデルの方向性
として、「ファン客」「信者客」づくりを前提とする「コミュニティ
型営業」のビジネスモデル設計を行っていく必要があります。
さらに、「コミュニティ型営業」を行う上でキーワードとなるのが次
の3つのポイントです。
1)絆・一体感
2)メディア
3)イベント
例えば身近なコミュニティとして、町内会を挙げることができます。
町内会は立地的側面から絆・一体感があります。さらに“回覧板”と
いうメディアがあり、“祭り”に代表されるイベントがあるわけです。
つまり上記1)2)3)はコミュニティの必要条件です。
生産財ビジネスの場合、従来は 1)絆・一体感 は営業マンの個人
プレーでつくってきました。あるいは○○会といった販売店組織やユ
ーザー会を挙げることができます。また 2)メディア や 3)イ
ベント についていえば、ニュースレターやプライベートショー等を
挙げることができますが、それぞれが独立的に単独に機能しているの
であって必ずしも「ファン客」を増やす、「信者客」をつくるという
概念でビジネスモデルそのものが設計されていません。
「コミュニティ型営業」の目的は、あくまでも「ファン客」を増やし
「信者客」をつくるところにあります。そして現在のような激動期は、
いかにして「信者客」を増やすかが業績アップのポイントになります。
次回は生産財業界におけるコミュニティ営業の適用事例についてお伝
えしたいと思います。
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