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片山和也の生産財マーケティングの視点【激動期は「信者客」づくりが業績アップにつながる(2)】

現在のような成熟期、さらに激動期になると「価格競争」をいかに回
避すべきか、がポイントになります。特に国内マーケットで生き残り
を図らなければならない会社にとっては、この「価格競争」の回避が
最重要課題となります。

そのためには、前回のレポートでも述べた「信者客」づくりが重要な
ポイントであり、現状の「潜在客」を「ファン客」にし、「信者客」
に発展させていくための「コミュニティ型ビジネスモデル」をつくら
なければいけません。

例えば私の関係先の制御盤メーカーは、先期決算では過去最高益を出
すことができました。同社は「日本一の制御盤メーカーになる」とい
う理念のもと、コミュニティ型ビジネスモデルを推進してきました。

まず自社の理念である「コストダウンにつながる制御盤」を具体的に
伝えるためのショールームの設置、設計技術者を対象とした技術セミ
ナーの定期開催、毎月発行される制御盤新聞、このようにコミュニテ
ィ営業の3要素である、
 1)共有できる場=ショールーム
 2)メディア=制御盤新聞
 3)イベント=技術セミナー
という同社オリジナルの「場」をつくりだし、そこで同社の思想を伝
えるわけです。同社の思想というのは、従来の工法よりも制御盤を小
型化するためのポイント、耐久性を上げるためのポイント、海外対応
にしていくためのポイントです。

お客さんには様々なニーズがあります。価格を問題にするお客さんも
いれば、設計段階からのVA・VE情報を求めるお客もいます。
「信者客」づくりとは、自社がどのようなお客を“選ぶ”のかを明確
にさせる必要があります。

例えば、現時点で既存客の多くが自社のことを「下請け」「御用聞
き」と見ている状態であれば、そのポジションを「ビジネスパートナ
ー」に転換するのは極めて困難なことです。
既に固定化された客先からのポジションを変えるためには、窓口担当
者を変えるか、あるいは顧客そのものを変える必要があります。つま
り「信者客」化というのは新規顧客開拓が前提条件となります。

例えば既存の取引先で、自社がつかんでいるキーマンの多くが資材部
門だとします。資材部門のニーズは価格ですから、どうしても自社の
ポジションが「下請け」「御用聞き」になりやすくなります。
しかし設計部門、開発部門でキーマンをしっかりとつかむことができ
れば、その顧客とは「ビジネスパートナー」として、同等の関係性を
結ぶことができます。いわゆる「主導権」がとれるわけです。

今、生産財業界のナショナルブランドメーカーは、基本的には各社儲
かっています。それは「主導権」がとれているからです。
下請け型、あるいは御用聞き型の会社というのは、それほど儲かって
いません。それは「主導権」がとれていないからです。

「信者客」かのビジネスモデルとは、言い換えれば「主導権」をとり
「価格競争の回避」を行うためのビジネスモデルなのです。

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