注目のキーワード

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

片山和也の生産財マーケティングの視点【3.11後の生産財業界】

5月の売上は、生産財業界各社振るわなかったようです。特に自動車
減産の影響が大きい中部地区は振るわず、トヨタ自動車の現場が18
連休。THKも中部地区の5月は最悪の数字だったとのことで、ここ
にきて3月半ばからの減産の影響が出てきたように見えます。

景気を測る一つの指標に、トヨタ自動車の国内日当たり生産台数とい
うものがあります。震災前で1日あたり13000台生産。それが震
災後は5000台/日までに激減。これはリーマン・ショックの時以
上の数字です。
ちなみに、日当たり生産台数が11000台をきると、自動車部品メ
ーカーは赤字になるといわれます。デンソーやアイシンなどトヨタグ
ループの超優良企業が資金調達にはしっているという情報があります
が、これは主に協力会社を資金支援するためのものだと言われていま
す。

しかしここにきて、トヨタの生産台数は思いのほか早く立ち直るとい
う情報が多くなってきました。7月から8月には震災前の水準である
13000台に戻り、11月くらいには17000台から18000
台まで戻すという情報もあります。これはリーマン・ショックの前の
水準です。今、基本的に車はつくればつくっただけ売れます。世界レ
ベルでみれば自動車販売台数は相変わらず右肩あがりです。

私の顧問先の専用機メーカーも、ようやく自動車業界向けの大型案件
の内示がでるようになってきました。また、日本工作機械工業会も、
今年の受注予測1兆1000億円を、さらに今年は上回るのではない
か、という談話を発表しています。

リーマン・ショック後、中国の工作機械メーカーがかなりクローズア
ップされました。瀋陽(シンヨ-)や上海机床(シャンハイ キショ
ウ)など、中国のトップメーカーの工作機械は、日本製のものと何ら
遜色はない、といわれました。
しかし今や、中国製と日本製が変わらない、という声はほとんど聞か
れなくなりました。やはり日本製で10年もつところが、中国製だと
2年から3年しかもたない、といった問題が明確になってきたわけで
す。
例えば私の顧問先のあるメーカーが、瀋陽の簡易NC旋盤を購入しま
した。そしてワークをはさむためにチャックにハンドルをつけて回し
ましたが、ハンドルがカバーに干渉してハンドルを回すことができま
せん。中国でトップメーカーといわれるメーカーの機械でもこんなレ
ベルです。

生産財において最も重要なことはコストではなく、生産性です。コス
トが高かったとしても、その分生産性が高ければ何ら問題ないのです。
そう考えれば生産財というのは極めて日本にとって向いている商品と
いえるのではないでしょうか。

生産財マーケティングのことなら生産財マーケティング.COM>>> https://seizougyou-koujoukeiei.funaisoken.co.jp/

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

関連記事

アクセスランキング

製造業・工場経営.comを運営する船井総合研究所が提供する各種サービス

ものづくり経営研究会オンデマンド
ものづくりグロースクラウド

無料経営相談の
お問い合わせ