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片山和也の生産財マーケティングの視点【激動期の業績は規模よりも「人財」の数で決まる】

現在は明らかに激動期であり、機械工具商社においても業績の二極化
が見られるようです。地方を中心に老舗でも力の無い会社は廃業がよ
く聞かれ、都市部の老舗でもいまだに月次で赤字の会社もあると耳に
します。

例えば全国的に業績が悪かった5月においても、東北の機械工具商社
E社は昨年対比120パーセントの業績で着地、今期はリーマン・シ
ョックの前の水準に戻りそうです。同社の場合、組織的に新規開拓に
取組み、過去3年間で開拓したユーザーの売上数字が、全売上数字の
25パーセントを越えています。
また京都の機械工具商社K社も、2008年に滋賀県に出した営業所
がベース2000万円を越えるようになり、過去5年間で開拓したユ
ーザーの売上が全売上の35パーセントを越えています。

新規開拓を全社的に取り組むというのは、ビジネスモデル面以上に、
組織の一体化が何よりも求められます。つまり新規開拓というのは
「戦略」というよりも「マネジメント」にキーがあるのです。

組織の一体化というのは、全社員の価値観が一致している状態を指し
ます。つまり、既存ユーザーに対して楽な御用聞きだけを続けるので
はなく、自分のスキルと人格を常に磨き続けて新たなユーザーにチャ
レンジするという、前向きな考え方が組織にいきわたらなければ業績
は向上しないのです。つまりマインドの問題です。

社員・部下の評価をする際、あるいは採用する際、ついついスキルに
だけ目がいきがちです。しかし社員の評価というのは、スキルだけで
なくマインドも合わせた2つの軸で行なっていく必要があるのです。
そしてスキルを縦軸に、マインドを横軸にとり4つのマトリックスを
つくります。すなわち、
 1)スキルが高く マインドも高い人が 「人財」
 2)スキルは低いがマインドは高い人は 「人材」
 3)スキルは高いがマインドは低い人は 「人在」
 4)スキルが低く マインドも低い人は 「人罪」
という、4つの“じんざい”に分けることができるのです。
人材は仕事の中で経験をつんでいくうちに「人財」になるでしょう。
しかし存在しているだけの「人在」は、マインドが低いですからスキ
ルもそのうちに落ちます。そうすると周りに悪い影響を及ぼす「人
罪」になってしまうのです。

中小企業の場合、周りに悪い影響を及ぼす「人罪」に対してはしかる
べき手をうつ必要があります。結論としては正論たる教育を続けてい
けば、本人は変わるか、あるいは会社を去っていきます。社員を簡単
にやめさせるわけにはいきませんが、しかし放置しておくことは経営
的に最もまずいことです。

採用についても、即戦力を期待して業界経験者を採るというのは気を
つけないと「人在」になってしまいがちです。同業の経験者を中途採
用する場合には、しっかりとマインド面の刷りあわせを行なう必要が
あります。中途よりも新卒の方がよい、と一般的に言われるのは、こ
のマインドの問題なのです。

いずれにしても、現在のような激動期は「人財」の多い会社ほど有利
で強力な会社になれます。もはや規模の時代ではないと思います。

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