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片山和也の生産財マーケティングの視点【今や明確な新規開拓の重要性】

私はかねてから新規開拓の重要性についてお伝えしてきましたが、こ
こ数年の激動期において、それが実証されたような気がします。

例えば皆様の会社におかれましては、過去3年間で新規開拓した顧客
の売上は、現在の売上の何パーセントくらいでしょうか。

私の関係先を見ていますと、過去3年間に開拓した顧客のつくる現在
の売上に対する割合と、現在の売上の伸び率(売上昨年対比)がだい
たい一致しているのです。
例えば私の関係先の機械工具商社A社は、過去3年間で開拓した顧客
の売上が、現在の売上の約25パーセントを占めます。
そしてこのA社の今期売上累計は、前期対比で23パーセントアップ
しています。
逆に私が最近プロジェクト(=企業総合診断+戦略づくり)を行った
某社は、過去3年間に新規開拓された顧客によりつくられた売上が、
全体の数パーセントで、そのせいかどうかわかりませんが、結果的に
売上の伸び率は横ばいから、ややマイナスといった状態です。

新規開拓がこうした結果を生み出す要因は、単に新たな数字がプラス
されるから、といった単純な要因だけではありません。
新規開拓を推進する、ということは提案営業を推進する、ということ
です。御用聞き営業では新規開拓は推進できないからです。
理想的な営業活動は、提案営業と御用聞き営業とのバランスです。御
用聞き営業で濃密な人間関係をつくらなければ、価格競争の回避を行
なうことはできません。
しかし提案営業を切り口にした人間関係づくりができないと、営業ス
キルを第三者に教育することはできませんし、再現性のない“馴れ合
い営業”となってしまいます。

営業マンと顧客との間に濃密な人間関係ができているかどうかの一つ
の目安が、工場見学ツアーやプライベートショーにどれだけの顧客を
動員できるか、ということです。
一見数字ができていても、ツアーやプライベートショーに顧客を動員
できない営業マンは、顧客との深い人間関係が築けていませんから、
景気の悪化とともに確実に数字が落ちます。つまり本人の実力ではな
いのです。

このような濃密な人間関係というのは、御用聞き営業スタイルの中で
つくられやすいものです。しかし商売の新たな突破口は提案営業スタ
イルでなければ開けません。
そうした意味で、既存顧客が相手であっても提案営業と御用聞き営業
のバランスが重要なのです。放っておくと、提案営業の要素はどんど
ん薄れていきます。しかし新規開拓を全社的な目標として掲げ、それ
がきちんと組織にと落とし込まれていれば、組織は活性化します(メ
ーカーの場合は新規開拓を新商品販売と置き換えていただいても結構
です)。

ですので、会社として何らかの新規開拓モニタリングを行なうことが
重要だと私は思います。具体的には、月次売上の何パーセントが新規
売上にあたるのか、というモニタリングです。
しばらく続く激動期を乗り越える上で、全社で押さえておくべきパラ
メーターではないでしょうか。

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