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片山和也の生産財マーケティングの視点【今、伸びている会社の共通点(2)】

さらに、今伸びている会社の共通点として“サイクル商品”に力を入
れているということが上げられます。サイクル商品とは低単価であっ
ても継続的に購入してもらえる商品のことを指します。

サイクル商品と反対の概念の商品が“スポット商品”です。スポット
商品とは文字通り購入がスポットの商品のことを指します。例えば高
単価な機械設備などはスポット商品の代表的な存在となります。

例えば機械工具商社でいえば、サイクル商品の代表的な存在としてネ
ジを挙げることができます。ネジは低単価で高購買頻度の代表的商品
であり、しかも市場規模が1兆円を超えるマーケットサイズの大きな
商品です。ネジは一見売るのに手間がかかりますから、多くの営業マ
ンが取り扱いを敬遠します。しかし不況期でも数字をつくっている営
業マンというのは、以外とネジを切込み商品として重視しているケー
スが多いのです。

同じことがセットメーカーにもいえます。ある熱設備メーカーの場合、
主力商品は熱処理設備なのですが、40名の全社員が定期点検が行え
るスキルを持っています。設備の平均単価が700万円前後であるの
に対し、点検の平均単価は20万円です。ただし20万円のほとんど
が付加価値(=粗利)となりますから、利益としてはばかにならない
のです。

それに対して高単価・低購買頻度品しか商品をもたない会社というの
は、今のような不況期になると苦戦を強いられます。例えばシステム
制作会社や建設工事会社などがその代表となるのですが、低い購買頻
度を補うため広い商圏が必要となり、その結果ゼネコンや大手システ
ム会社を頂点とする下請け型ビジネスモデルとなっていきます。この
ビジネスモデルの場合、不況期になると下請けは全く儲からなくなり
ます。下請け型企業が元請けとなるためには、意識してエンドユーザ
ーからのサイクル商品をつくらなければなりません。

また、本当の意味での商品戦略とは、最初から高単価な主力商品を売
り込もうとするのではなく、ネジのような低単価商品の販売からいか
に工作機械のような高単価商品の販売につなげるのか、という商売の
流れをつくることです。

今ある商品をいかに売るか、と考えるのは戦術ですが、いかにサイク
ル商品から主力商品の販売につなげるのか、という商売の流れを考え
るのは戦略的なことです。従って、今伸びている会社の3番目の要件
になりますが、経営者が商品や技術に詳しいということが、必須にな
ってきます。戦術的なことは社員に任せてもいいですが、戦略は経営
者が考えなければならないからです。

今の時代、主力商品の販売につながるサイクル商品を、いかに多くつ
くっていけるのかが大きなポイントになると思います。

生産財マーケティングのことならジャパン・エンジニアリング・マーケティング.COM>>> http://www.jem-com.jp/

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