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片山和也の生産財マーケティングの視点【厳しい市場環境下での闘い方】

現在のように厳しい市場環境においては、戦略性もさることながら末
端社員の戦闘レベルの行動も、非常に重要な要素となります。
そうした中で、社員や部下に対していかに主体性をもって事にあたら
せるかということが極めて重要になります。

船井流経営法の中に、1:1.6:1.6の二乗の法則 というもの
があります。これは指示されて無理やり行なった場合の仕事の成果を
1とするならば、納得して行なった場合はその1.6倍、自発的に行
なった場合は1.6の二乗ですから2.56倍の成果を出すことがで
きるというものです。

つまり主体的に仕事を行なえば、そうでない場合の約3倍ものパフォ
ーマンスを出すことができるということなのです。戦闘レベルにおけ
る、こうしたことの積み上げは結果として大きな影響を業績にもたら
します。

部下や社員に主体性を身につけさせる一つの手段として、「掃除」を
挙げることができます。掃除をさせると、その人が仕事に対して主体
的に取り組んでいるかどうかが一発でわかります。
例えば船井総研の場合、新入社員が1年間、自分が担当する机の上を
雑巾がけします。潜在意識の中で「こんなのオレの仕事じゃあない」
と思って机を拭くと、机の隅やコンセントのジャック付近に埃が残り
ます。あるいは雑巾をかけた方向に埃が残っています。

会議の日などは私も事務所に出ますので、拭き方が不完全な場合、拭
いた新入社員を呼んで、私が直接拭き方を指導するようにしています。
また宅配便の宛名書きなど、その筆跡をみれば主体的に取り組んでい
るかどうかわかります。先日も、お恥ずかしい話ではありますが、新
入社員が送付した書類が、会社名と担当者名が違っており、宛先不在
で戻ってきてしまいました。そういう時に限って、滅多に事務所にい
ない私が在社しているというのも、何かの暗示なのかもしれません。
私はその宛名を書いた新入社員を呼び、厳しく指導しました。
その後、指導した新入社員が日報で「仕事でミスをして叱られて反省
している」という主旨のことを書いていたので、さらに私は本人に電
話をかけ、「ミスを叱ったのではない、心のあり方を叱ったのだ。こ
んなのオレの仕事じゃないと思ってあたるからミスが発生するのであ
って、その心のあり方を言っているのだ」と、さらに厳しく指導しま
した。

人から言われて行動を変えるのは「外発的要因」によるものです。外
発的要因の間は、本質的に行動が変わることはありません。意識が変
わらないからです。本当に意味で行動を変えるには、本人の意思によ
る「内発的欲求」によるものでなければなりません。しかし、私の経
験から言えば、「外発的要因」であったとしても“しつこく”指導し
続ければそれはいつの間にか「内発的欲求」に変化し、意識が変わり
行動が変わっていくものなのです。

コンサルティングというのは、ある種のリスクを伴う仕事です。例え
新入社員であったとしても、爆発物処理にあたるかのごとく緊張感を
持ってもらわなければ任務の遂行はままなりません。

今のような時代に大きく命運を分けるのは、こうした戦闘レベルでの
基本行動のあり方にあるのです。

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