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JIMTOF前のシカゴショーレポート

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IMTS2008(International Manufacturing Technology Show国際製造技術展 通称:シカゴショー)が9月8日~13日の6日間、米国シカゴのマコーミックプレイスにて開催されました。

船井総研では現地生産財メーカー・商社の視察とあわせてツアーを企画しました。その際の画像付きレポートは以下のWebサイトからダウンロードできます。(展示会レポートのみ)

http://www.jem-com.jp/marketing/

また10月30日から6日間、東京ビッグサイトでJIMTOFが開催されます。前回のJIMTOFが546社・5125小間の出展に対し、今年は569社・5223小間という過去最大規模での開催になります。

JIMTOF開催まであと3週間となりましたが、ここでシカゴショーのレポートをお読みいただき、JIMTOFとの比較をしていただければと思います。

今年のシカゴショーは出展企業約1200社、来場者9万2450人と会期が2日間短縮されたにもかかわらず、前回より約1500人上回る盛況に終わりました。

今回のシカゴショーで目を引いたのが、門型マシニングセンタや大型ターニングに代表される大物重切削ワークに関する加工技術です。シカゴショーの檜舞台ともいえる南棟メインに位置するヤマザキマザックやオークマのブースには、大型複合機や門型マシニングセンタが設置され、航空機部品や大型エンジンに代表される大物ワークの加工事例が多く展示されていました。新日本工機、東芝マシナリー等の大型機メーカーのブースも多くの来場者で賑わっていました。

同じく南棟メインに位置するHaas社のブースにはコンパクトなマシングセンタやCNC旋盤が多数展示されており、そのコンパクト汎用機を中心とした出展は隣のヤマザキマザックやオークマと対象的でした。Hass社は米国の工作機械メーカーであり、ここ5年ほどで躍進してきた新興メーカーです。同社はもともと治具メーカーでしたが、低価格とシンプルなスペックを武器に勢力を拡大してきています。同社以外にも、韓国や中国のメーカーがローコストな省スペックマシンを多数出展しており、「大物重切削」と「ローコスト省スペック」という対照的な2つのコンセプトが混在していたのが特徴的であったといえます。自動車関連の景況が下り坂であるというニュースが多く伝えられますが、そうしたことを反映してかシカゴショーの出展アプリケーションも少ない傾向にありました。

自動車関連に代わり多く出展されていたのが航空機部品分野、さらに大型エンジンや掘削装置など産業機械分野の加工アプリケーションです。特にインコネルやハステロイ、ワスパロイといった耐熱合金の難削材に関する加工アプリケーションが多数出展されていました。

また今回のシカゴショーで象徴的であったのが、韓国・中国メーカーの台頭です。韓国のDOOSAN社やヒュンダイ・キアマシン社のブースは南棟メインに位置し、ヤマザキマザックやオークマにひけをとらないスペースで出展をしていました。シカゴショーを良く知る工作機械メーカートップによると、過去のシカゴショーでは見られなかった現象であるとのことです。中国メーカーもダリアン社を中心に数多くのメーカーが出展しており、今後の工作機械業界における韓国・中国メーカーの台頭を感じさせられました。

今回のツアーでは、シカゴ近郊の生産財メーカーの工場視察を行いましたが、その工場でも旧式のマシンが日本製(森精機・オークマ)であったのに対し、ここ数年で入れられたマシンは全てHaas社の機械でした。また、シカゴ近郊にあるサンドビック社のプロダクティビティーセンターにも立ち寄りましたが、ここにもHaas社のマシンが数台テスト機として設備されていました。逆に、10年前には米国の一流メーカーとされた、シンシナチ・ミラクロン社、インガソル社、ファダル社などは既に存在せず、まさに米国の生産財業界は下克上ともいえる状況であると感じました。

来年の10月はイタリア ミラノでEMOショーが開催されます。EMOショーにつきましてもツアーの企画を進めておりますので、ぜひご検討いただければと思います。

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