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結果が出る人、出ない人

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ビジネスをはじめ、あらゆることに「結果が出る人、出ない人」について興味深いアプローチがあります。脳科学者の茂木健一郎氏によれば、脳科学の立場で考えた時にうまくいく人とうまくいかない人の違いというのは、ノウハウなどではなくて人格力の差であると言うのです。

私もコンサルティング会社のマネージャーという立場上、多くの新卒社員や中途社員に指導をしていますが、確かに仕事ができる、できないというのは表面的なスキルやテクニックの問題などではなく、人間性の問題なのです。人格や人間性の定義というのは哲学的で難しいかと思いますが、私は「いかに多くの人から支持されるか」「いかに多くの人を納得させられるか」ということではないかと考えています。

さらに私は人間性を測る基準として 1)目の前のことから逃げない2)相手への気配りをする ということを挙げたいと思います。

例えば私のかつての部下で、残念ながら船井総研で結果を出せなかった人には共通点があります。それは「人の質問に対して明確な答えを出さない」ということです。仕事上のミスや不注意が原因で、私が部下を叱責して「キミ自身はどう考えているんだ?」と質問を投げたとします。「はい、それは・・・」と言ったまま黙り込み、次の言葉を出さないのです。そして私が黙っていると、黙っているのが当たり前のごとく黙ったままを続けるわけです。

これなどは言い換えれば「目の前のことから逃げている」ということなのです。それが嫌なこと、自分にとって考えたくないことであったとしても、自分なりの答えを出さないことには解決につながらないのです。こうしたタイプの人は議事録などをとらせると「○○会社での議事録(案)」などといったファイル名で提出してきたりします。私に言わせれば、たかだか議事録一つに(案)などとつけているところが、「逃げ」の姿勢なのです。

先日も客先で営業ツールの打合せをする際、私の部下が自分の描いた手書きイラストを「下手なイラストなのですが・・・」と前置きして見せようとしたので、私はその場で「下手なイラストなら客先に出すな!」と叱責しました。彼は新人なのですが優秀な男で、私も将来を楽しみにしているのですが、間違ったスタンス(=逃げの姿勢)を身につけてもらっては困るので厳しく指導するのです。

また、「相手への気配り」も人格力の一つの要素でしょう。例えば経営者の方は常に忙しい方ばかりです。あるベンチャー企業の経営者はフロアを歩くとき、自分の数メートル前を秘書に歩かせるそうです。その理由は、あらかじめ自動ドアのマットを秘書に踏ませることで、
自動ドアの扉が開く時間を節約できるからです。そしてエレベーターに近づくと秘書が走っていってボタンを押し、社長がエレベーターの前に立った時には、ちょうどエレベーターのドアが開いているのです。

一般の人からすれば、このような時間感覚は異常なことでしょう。しかし限られた時間で多くの業務をこなさなければ立場の人間にとっては、タイムマネジメントの一つなのです。私も時間を切り売りするコンサルタントという仕事をしているが故に、秘書を自分の前に歩かせる経営者の気持ちはよく理解できます。

そして、こうした忙しい人ほど他人への気配りができます。自分が忙しいからこそ、他人の時間を奪うような行為はできるだけ避けたいと常に考えているからです。大切な仕事ほど忙しい人に任せろといいますが、それはこうした「気配り力」によるものなのではないでしょうか。

さらに前述の脳科学者、茂木健一郎氏によれば米国ではビジネス書の大半が人格形成に関わるものなのだそうですが、日本ではビジネス書の大半がノウハウ系のものです。ですから同氏は哲学書や歴史書など、人格形成にプラスになるような読書を強く勧めていました。人格や人間性という言葉は、なかなか答えのないことではありますが、自分なりの定義をつくり、それを高めていく努力を続けていきたいものです。

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