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「自社らしさ」が業績を伸ばす

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今、業績の良い部品加工業には次の2つのパターンがある様です。

1つ目は「高額な設備に裏づけされた、独自技術を持った会社」です。例えば先月3月に先端町工場視察セミナーで訪問した東成エレクトロビーム様などが、典型的なこのパターンです。同社のドイツ製の電子ビーム加工機は1台3億円もするそうです。

また埼玉県の所沢市に工場を持つ井口一世という会社は、社員20名で売上高50億円、利益5億円という驚異的な高収益な部品加工業です。しかも同社の社員の7割は文系新卒の女性だといいます。

ところが同社にはスイス製のベッドが花崗岩でできた、超高精密の5軸マシニングセンタがあります。このマシニングセンタは一般のCADでは表現できない、超難形状・高精密の加工が行えます。

また同社の非接触加工機は非接触でナノレベルの測定が可能であり、国内の工業試験所にも置いてありません。

同社にはクチコミで毎月2~3社の大手企業が工場見学に訪れるそうですが、訪問した会社の9割までが同社の設備を見て口座開設を即決されるそうです。

しかしこうしたパターンというのは、普通の部品加工業が中々真似できるものではありません。多くの部品加工業が目指すべきスタイルは2つ目のパターンではないでしょうか。

2つ目のパターンとは「自社らしさを全面に出して、独自性を追求している会社」です。

例えば同様に先月3月の先端町工場視察セミナーで訪問した、浜野製作所様は、このパターンです。また先月3月開催のセミナーでご講演いただいたスワニー様なども同様です。

さらに前々回の本レポートでご紹介したニットー様も、「自社らしさ」をとことん追及した会社です。また来月5月に船井総研とのセミナーを開催予定の中里スプリング製作所様も、「自社らしさ」をとことん追及した結果、成功している会社です。

なぜ「自社らしさ」が大事なのでしょうか?

昨年、船井総研の社内研修で台湾に訪問した際、日本でもベストセラーの著書「最高指導者の条件」で知られる、李登輝 元台湾総統の講演を受ける機会がありました。

その際、李登輝 元総統に「これからの人口減少・市場減少時代を乗り越える為に必要なことは何だと思われますか?」と質問をすると、元総統は「それはアイデンティティだ!」と即答してくださいました。

アイデンティティとは、言い換えれば「自分らしさ」ということです。
「自分らしさ」「自社らしさ」を追及するというのは、すなわち「自分」あるいは「自社」の強みを明確にして、その強みをとことん磨きこんで伸ばす、ということです。

現在の様に厳しい時代において、成功企業の真似をそのまま行っても自社が成功することはありません。
ただ、こうしたモデル企業がどの様に自社の強みを見つけ、それをいかに磨きこんで高めていったのかというプロセスは、大いに自社の参考になります。いわば「歴史に学ぶ」ということと同じです。

ぜひ、こうした数多くのモデル企業をご覧いただき、自社の本当の強み、「自社らしさ」を発見するきっかけにしていただきたいと思います。

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