船井総研のようなプロフェッショナルファームの場合、いわゆる”一人前”とされるコンサルタントで顧問先を20社前後持っています。つまり1ヶ月に1回の訪問を基本とすれば、1ヶ月の実稼働日は20日ですから、ほぼ毎日コンサルティングを行っていることになります。事実、私の場合も日曜日意外はほぼ毎日、ご支援先に伺うことになります。
こうした話をするとよく「そんなに顧問先を抱えていて、コンサルティングの品質は低下しないのですか?」と言われますが、実態は全く逆です。すなわち、顧問先が多ければ多いほど、コンサルティングの品質は上がるのです。逆に顧問先の数が少なければ少ないほど、コンサルティングの品質も下がる傾向にあります。
例えば船井総研の社内を見ていても、顧問先の少ない(つまり稼げていない)コンサルタントは、1社1社に時間をかけられるはずなのですが、なぜか成果が上がりません。成果が上がらなければお客さんの満足度は低いですし、それがクレームに発展することも多々あります。
こうしたことの理由として、毎日現場に出て場数をこなしているコンサルタントの方が「直感力」が高いことが挙げられます。当然のことながら、顧問先の状況は日々毎日変化しています。そうすると事前の準備も大切ですが、それ以上にその場その場での臨機応変な対応やアドバイスが求められるのです。
もちろん、成功要因が異なるような異業種のクライアントばかりでは、こうした直感力は生まれてきにくいでしょう。船井総研の特徴は業種別コンサルティングです。例えば私の場合は生産財業界が専門であり、生産財業界以外の顧問先は皆無です。
コンサルタントは経営者同様に時流をつかみ、その中での仮説検証を繰り返していくということの連続です。仮説検証を多くすればするほど直感力も上がり、コンサルティングの精度も高まるのです。
そうしたこともあり、私が部下や後輩によく言うのは ①社内に自分用のコーヒーカップを置かない ②スリッパを履いてデスクワークをしない ③自宅から弁当や水筒を持参しない ということです。これらの行為は会社にいることを肯定する行為です。今が修行中の身で顧問先が無く、社内でのデスクワークや調査業務が主体であったとしても、コンサルタントが事務所にいることを肯定する行為はよくないのです。事実、これら①~③にあてはまることをしている新人で、その後伸びたためしはありません。
このように、職業によってそれぞれ「成功要因」や「失敗要因」があるはずです。このようなルール化を日々行っていくことが、成果を上げる上で重要なのではないでしょうか。
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