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本社は閑静な住宅街の中にある
ケルヒャー本社の様子
同社からの講演の様子
・ケルヒャー社は、創業者であるアルフレッド・ケルヒャーが1935年に創業し、現在では世界最大手の清掃機器メーカーとして、世界190カ国で愛用されている。
・同社の所在するシュバーベン地方には昔から改善を重ねる精神がある。創業者はまさにそうした考え方を体現する人物であった。戦後、同地方を米軍が進駐した際、米軍車両の清掃用高圧洗浄機を見た際、「もっと改善できる」と感じた。
・同社はその後、高圧洗浄機に事業を集中。またコーポレートカラーも黄色に変えた。
・1984年に一般消費者市場に参入。高圧洗浄機を小型化することができ、一般消費者市場に参入できる様になった。1000台売れる見込みであったが、実際には5000台売れた。現在は5000万台もの出荷実績がある。
2)同社の経営理念
・「洗浄・清潔・きれいにする」が同社のミッション。昔からの価値を大切にする、ということも合わせて大切にしていることである。
3)ヒドゥン・チャンピオンについて
・同社は典型的なヒドゥン・チャンピオンです。ヒドゥン・チャンピオンは、以下の通り定義されています。
[1]特定の分野で世界トップ3又は大陸欧州で1位
[2]売上高が40 億ドル未満
[3]一般的にあまり知られていない
・ヒドゥン・チャンピオンは世界市場シェアを確保するため、1)製品・技術を得意分野に特化させ、 2)グローバル・マーケティング活動を行っている、という特徴があります。
・ドイツには、このようなヒドゥン・チャンピオン企業が1000社以上あると言われている。
4)同社の中長期戦略
・2001年に床洗浄の分野に進出。さらに10年計画を立案して中長期戦略を立て、米国の床洗浄機メーカーを買収、米国にも進出を果たした。現在は米国でも同分野で一番である。
・さらに2011年からの10年計画も現在できている。さらに顧客に密着し、国ごとの掃除に対する考え方を収集したい。例えば日本人は騒音を嫌うので、音が小さくなる製品の開発が重要。
・また業務用の掃除機については黄色から黒色・グレーに色を変えた。黒色やグレーはゴミがついても目立ちにくい。黄色だとゴミや汚れが目立ってしまい、よい印象を与えない。
・また清掃担当者は離職率が高いので、誰でも使用しやすいインターフェースを心がけている。例えば重要なスイッチは黄色にする。
・新商品開発に力を入れており、販売商品の87%が5年以内に開発された商品である。同時に知的財産も重視している。特許件数も右肩上がりである。
・リーマン・ショックの際は売上が減少したが、逆に投資を増やした。同じ時期に競合先は投資を落としたため、景気回復後の今は大きな差がついた。
・今後のテーマとして土壌汚染対策がある。
5)同社の海外戦略
・世界中で同社の製品が使用されている。売上の85%が海外からのもの。今後力を入れていきたいエリアはアフリカである(現状、最も普及度が低い)。
・その国に合わせた売り方をしている。例えば日本ではテレビショッピングが盛んである。
・また世界各国の清掃事情を反映した、各種研修・トレーニングも行っている。
・世界中で社会貢献として、文化遺産のクリーニングプロジェクトを進めている。日本でも2008年に日本橋のクリーンプロジェクトを行った。
ショールーム視察の様子
天井のデザインは流れる雲のイメージ
天井の通路から納車場が見える
・「BMWの世界」の目的は”展示場””納車センター””イベント会場””ショップ・レストラン”であり、17,000㎡の広大な敷地面積となっている。
・内装デザインはオーストリアの設計家によるもので、流れる雲をモチーフにした、柱が少ない天井デザインとなっている。100数十名の設計家が参加したコンペを勝ち抜いた作品である。
・「BMWの世界」によって”納車”を1つのイベントまで高めている。納車に訪れた人は専用ラウンジに通され、”ショールーム見学””博物館見学””工場見学”を行うことができる。
・納車に訪れる人は主にドイツ国内であるが、遠隔地からわざわざ訪れる人も多い。また最近では外国から訪れる人もいる。
・BMWへのロイヤリティを高め、ブランドをより強固なものにし、リピート顧客さらには熱狂的な顧客を育成する1つのステージとなっている。